【告知】1/27(日)「いろんな意味で歌会」開催!
1/27(日)「いろんな意味で歌会」をやります!
「いろんな意味で歌会」とは、カラオケ×歌会の超即詠企画!
他の人が歌っている間に、その曲から歌詞の単語を拾って詠むというものです。
自分が詠まない単語を使う練習にもなりますし、自分が歌う曲の歌詞をみんなに聞いてもらえる機会にもなる最高の企画です。
また、もしも短歌がうまく詠めなくても、最悪カラオケは楽しめるので気が楽ですね!
日 時:2019/1/27(日)13:00〜
参加費:約1000円(カラオケ昼料金)
お申し込みはTwitter@nabelab00 または、メール(nabelab00@gmail.com)まで参加希望の旨をお伝えください。
また、これまでの「いろんな意味で歌会」のレポートを載せておきますので、チェックしてみてください!
【今後の予定】
はたらく学校「国語」 OL歌人に学ぶ!「短歌づくりで知る自分のシゴト観」
なべとびすこが講師として登壇します!
日 時:2019/2/20(水)18:30〜20:00
参加費:無料
会 場:OSAKAしごとフィールド
詳細⬇︎
ゲームマーケット2019大阪
鍋ラボブースとして出店します!
日 時:2019年3月10日(日) 10時~17時
会 場:インテックス大阪
よろしくお願いします!
スマートフォンに依存してるのでiPhoneのスクリーンタイムを導入しました
歌人のなべとびすこです。
たまに、「短歌やってます」と言うと「渋いっすね〜」みたいなことを言われるんですが、私はスマートフォンがめちゃくちゃ好きなんですよね。
スマートフォンめちゃくちゃ好きって意外と言う機会ないけど、最高ですよね。
意味ないけどコンビニが好き HA HA HA HA
って言ってんのめちゃくちゃ好きなんですけど、私は「意味ないけどiPhoneが好き HA HA HA HA」ですわ。
方向音痴なので(方向音痴ともうまく付き合わせてくれよ - なべとびすこのなすべきこと)、マップのコンパス機能がなければこんなにいろんなところに出掛けられてないし、
Twitterのおかげで短歌とかボードゲーム とかいろんな人と絡めて楽しいし、美味しいお店とか簡単レシピとか有益な情報も多いし、
Instagramで好きなブランドの新作チェックできるし、好きなアーティストの可愛い写真見れるし、
Facebookで友達の近況わかるし、面白いイベント情報も流れてくるし、
YouTubeもQuizKnockのおかげでいろんなこと学べてるし、MCバトル見ながらテンション上げれるし、適当にオススメされる曲のなかで良いの見つけられるし、
お料理アプリなかったら料理始めてないし、
おもしろブログ読んで笑えるし、共感できるし、タメになるし、
Apple Musicでいろんなアーティストの曲聴けるし、
あ〜〜スマートフォンって最高〜〜!!!!
って思ってるのは事実なんですけど、その最高な部分以外にも、余計な時間を使い過ぎてるなと思っていて、先に書いたのは本当にスマートフォンで出来る良いことばっかりで、でもそんなことだけに時間使ってるわけじゃなくて、
どうでも良いのに視聴率ランキング見たり、何回も同じ記事読んだり、boketeとか永遠に見たり、そんなんはまだ良いほうで、Twitterで炎上してる内容(そんなに興味がない)のついて経緯を調べたり、タレント(そんなに興味がない)のWikipedia熟読したり、ほんまかどうかわからんタレントのゴシップ情報(そんなに興味がない)読んだり、
そんなに興味がないことに時間を奪われて私は何をやってるんやって話ですよ。
とはいえ、興味がないと思ってたタレントのWikipediaを見て、
女優の波瑠のデビュー作が「だからワタシを座らせて。 通勤電車で座る技術!」っていうのおもろすぎやし、「背中からケーブルが生えてしまったことに最初は戸惑うものの、天地を逆転させたセットで激しく弾き踊りながら、天井はおろか外にまで飛び出していくという女子生徒を演じた」ってどういうこと?!って思ったり(参照→波瑠 - Wikipedia)、
蒼井優って身長160センチもあんの?! 藤木直人ってボーリングがうまいことは知ってたけど、ルービックキューブもめっちゃ速く揃えられるんや〜!!って思ったり、
炎上案件を調べてこういう言い方をすると誤解を招いて炎上するから気をつけないとな…って思ったり、ネットの情報だけじゃ真実はわからんからなんでも鵜呑みにしてたらあかんよな〜と自分を戒めたり、メリットはあるんですよね……
って思おうとしてたんですよ。
メリット以上にデメリット(時間の無駄)があることから目を背けるために。
だいたい藤木直人がルービックキューブを速く揃えられることを知ったからと言ってそれはメリットなんか?
藤木直人クイズに出るかもしれんけどウチが藤木直人クイズに答える場面とか無くない?てか「藤木直人クイズ」って何?! 雑談で藤木直人の話題になったら言えるかもしれんけど。
ウチは一般的に無駄と言われることを無駄と思わずにやりたいってずっと思ってきたけど、なんかベクトルが違うというか、簡単に言うとスマートフォンに時間割きすぎってことなんですよね。
もちろん、スマートフォン使ってこういう文章の下書きしたり、To Doアプリでタスク管理したりはしたいけど……
と思ってたら、iPhoneには「スクリーンタイム」ってやつがありまして、自分が何時間スマートフォンを見てるか、どのアプリに時間使ってるかがわかるようになってるんですよ。
それで、自分でiPhoneを使う時間の設定を決められます。
1日に2時間まで、みたいな感じで。
しかも、アプリによって制限をはずせるので、たとえばメモ機能は短歌詠むのに使うからOK、地図アプリも方向音痴やからOK、ToDoアプリもOK…みたいな感じで選んでいきます。
自分で決めた制限を超えたら
って感じで、暗くなったアプリは使えなくなるんですね。
完全に使えなくなるわけじゃなくて、
みたいな感じで、毎回聞かれるんですよ。
これがめんどくさいから使うのやめるんですよね。
あと、曜日ごとに時間の設定もできるので、平日は1時間やけど土日は2時間とか、この時間帯は見ない、みたいなのも決められるので、寝る前には見ないようにする、とかもできます。
これを導入して1週間、けっこうスマートフォンを見る時間は順調に減ってきています。(と言いつつ毎日制限時間は超えている)
あと、前までは「寝るまであと30分か〜」みたいなときに、30分ならなんもできんからだらだらスマートフォン見てたんですけど、30分ならちょっとでも本読も、とか、録画したバラエティ1個見よ、とか、書きかけのブログちゃんと書ことか、これまで失われていた選択肢が出てきて良いですね。
失われていたというか、自ら失ってたんですけどね。
ということで今年はたくさん本を読んだり映画を観たりしようと思います。
っていうところまで書いてたんですが、この「制限時間を超えました」を見るのも慣れてきて、「今日は制限を無視」を押す罪悪感が消えてきたのがわかります…。
ということで私のスマートフォン依存は全く解決してはないんですけど、iPhoneの方はスクリーンタイム使ってみると良いと思います。
【告知】文学フリマ京都出店&はたらく学校セミナー登壇します
歌人のなべとびすこです。
毎度ギリギリのご報告ですが、1月20日(日)に開催される「文学フリマ京都」に「鍋ラボ」ブースとして出店します!
ブース番号:けー11「鍋ラボ」
今回は、通常商品だけでなく、文学フリマ大阪で一度お試しでやった「即興企画」、今回はがっつりやります!
ブースに「即興小説ゲーム」考案者の横林大々さん、以前即興小説ゲームのワークショップでご一緒したナカナオさん、なべとびすこの3人がいるので、「お題」をいただければ、そのお題に沿った小説を即興で書きます!
ぜひお題を持ってブースにお越しください!
・取扱商品
なべとびすこ歌集『ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる』
短歌カードゲーム ミソヒトサジ〈定食〉
短歌楽曲つき冊子 アポロ短歌堂「Apollo31」
YUTRICKの
写真×短歌企画「YUTRICK展作品集」
短歌楽曲つきポストカード「31SCREEN e.p.」
もわずかですが販売しますので、よろしくお願いします!
また、2月20日(水) 18:30〜20:00 は、OSAKAしごとフィールドの「はたらく学校文化祭」のセミナーに登壇します!
めちゃくちゃ豪華メンバーが集まるすごいイベントの中で、私もセミナーを担当させていただきます!
OL歌人に学ぶ!「短歌づくりで知る自分のシゴト観」というテーマです。
求職者、転職を検討している方が対象となっています。
お申し込み方法等は上記のリンクを見ていただきたいのですが、こんな内容になっています。
仕事に縛られず、夢中になれるものを探すあなたへ。
そのヒントが見つかるかも!
会社員をしながら、歌人・ボードゲーム制作者として活躍する、
なべとびすこ氏をゲストにお招き。
ー新卒入社でなぜか「社内ニート」。
夢中になれるものを探してトライ&エラー。
長年の自意識とのたたかい。
それらを経て、やっと出会った「短歌」。
なべと氏のその遍歴に迫ることで、
「夢中になれるものの探し方」や
仕事一本に縛られない「わたしの働き方」についてお伝えします。
後半では、初心者でも楽しめる「短歌づくりワーク」も行います!
短歌づくりは、自分の心の奥側に目を向けること。
「はたらく」をテーマに、思いがけない自分の気持ちに気づき、
進むべき新たな方向性が見つかるかも。
こんな私ですが、何かみなさんの役に立てればと思います。
よろしくお願いします!
思春期の頃に好きだった曲の歌詞を改めて聴く〜有心論/RADWIMPS編
突然ですが、「中高生のときに好きになった曲は永遠に聴き続ける」みたいなこと言う人いるじゃないですか?
私はあんまり信じてないです。
名作映画と言われてる『スタンドバイミー』のラストの言葉と同じくらい信じてないです。(思い出せない人は各々ググってください)
中高生のときに好きになった曲でも、もちろん今も好きな曲もありますよ。
中学生のときにMr.Childrenの「シフクノオト」ってアルバム死ぬほど聴いたけど、やっぱり未だに最高やと思うし、高校生になってからハマったthe pillowsの第3期の曲(アルバムで言うと「Please,Mr Lostman」から「Wake up! Wake up! Wake up! 」までだいたい時系列順に聴いて「PIED PIPER」以降はそれぞれ発売後すぐ購入して聴いた)も最高ですよ。
しかしながら、当時「ちょっと…この歌詞…こんなんマジで神やろ…」って思った歌詞のなかには、今聞くともうその当時の熱量では語れないというか、なんというか恥ずかしさというか、いや、やっぱりすげえなという気持ちはあるものの、当時ほど純粋に「神やろ…」とか言ってられない曲もあるんですよね。
でも逆に、当時はわからなかった技法、たとえば韻の話とか、比喩の話とか、短歌をやってきたからこそわかる良さみたいなのもあるわけです。
ということで、当時の「神やろ…」と思った頃のテンションで、今だからわかる技法の解説とか込みで、当時本気で好きやった歌詞のこと語っていきたいと思います。
全歌詞はこちら
当時から思ってたんですけど、2番からの展開、ヤバないですか?
君は人間洗浄機 この機会にどのご家庭にも一つは用意して頂きたい
こりゃ買わない手はない 嘘ではない
驚くべき効果を発揮します 新しい自分に出会えます
ただ中毒性がございます 用法・用量をお守りください
ここで、君=人間洗浄機 という比喩が出てくるわけですね。
君=人間洗浄機 ということで、家電のキャッチフレーズ風にセールスポイントと注意事項などを読み上げていきます。
君=人間洗浄機は
メリット:新しい自分に出会える
デメリット:中毒性があるので用法用量を守る必要有り
なんですね。
いきなり2番の解説からはじめてますが、この歌詞の最初は
今まで僕がついた嘘と 今まで僕が言ったホント
どっちが多いか怪しくなって 探すのやめた
自分の中の嫌いなところ 自分の中の好きなところ
どっちが多いかもう分かってて 悲しくなった
という感じで始まります。簡単に言ってしまうと自己嫌悪に陥っている状態ですよね。
どうせいつかは嫌われるなら 愛した人に憎まれるなら
そうなる前に僕の方から嫌った 僕だった
だけどいつかは誰かを求め 愛されたいとそう望むなら
そうなる前に僕の方から
愛してみてよと
「どうせいつかは嫌われる/憎まれる」なら「そうなる前に嫌う」というスタンスをとっている「僕」の本当の気持ちは、「いつかは誰かを求め 愛されたい」ということで、おそらく君=人間洗浄機はその本心に気づいて「僕(自分)の方から愛してみて」という提案をしたんでしょうね。
その結果
明日を呪う人間不信者は 明日を夢見る人間信者に
僕=明日を呪う人間不信者 は、
僕=明日を夢見る人間信者 になった、という経緯があるんですね。
そういう状態で現れた「君」だからこそ、絶望していた自分を綺麗にする「人間洗浄機」として絶賛されているわけですね。
そもそもなんでこんなこと(君は人間洗浄機〜用法用量をお守りください)を言い出したのかというと、これは「やっとこさ君のクローンが成功したとき」用のキャッチフレーズなんですね!
いやいや、一般人女性(※この曲が書かれた当時の彼女。この時期一旦破局)のクローンなんて作られへんやろ、って思うじゃないですか?!
でもこの「君」は「世界初の肉眼で確認できる愛」であり「地上で唯一出会える神様」なんですね。だからクローンも作られるわけですよ。めちゃくちゃ貴重な存在なので。
あとここ、歌いかたが「地上で唯一出会える神…様」みたいな感じで、神の後に一拍置いてるんですけど、これによって「愛」と「神」で韻を踏まれてるのが強調される感じで良いですね。
それでもちゃんと「様」をこぼさずつけるあたりに相手へのリスペクトも感じられますね。
そしてこの一瞬の間のところのギターかっこいいですね。
ここまでで
君=人間洗浄機=世界初の肉眼で確認できる愛=地上で唯一出会える神様
となったわけですが、当然「君」=「神」なので、神といえば世界を作ったり、ときには世界を揺るがす存在なわけですよね。
ということで、神の業務としては
誰も端っこで泣かないようにと 君は地球を丸くした
誰も命 無駄にしないようにと 君は命に終わり作った
などがあるわけですね。スケールがでけえ。しかし、ここから不穏な空気になっていきます。
するとね君は いつでもここに 来てくれたのに もうここにいない いない
明日を夢見た人間信者は 明日の死を待つ自殺志願者に
3分前の僕がまた顔を出す
ここ、MVでみると非常にわかりやすいんですが、
「3分前の僕」っていうのは、この曲の中でちょうど3分前=曲の最初の部分の心情を指しています。「明日を夢見た人間信者は 明日の死を待つ自殺志願者に」と書いてあるように、これでは振り出しに戻ってしまうやん…と思うんですが、
ような感覚なんですが
息を止めると心があったよ そこを開くと君がいたんだよ
左心房に君がいるなら問題はない ない ないよね
というように、ちゃんと心の中には「君」がいることに気づくんですね。このあと、演奏が止まって時計の音が2秒間鳴って、最後は
2秒前までの自殺志願者を 君は永久幸福論者に変えてくれた
そんな君はもういない いない いない いないけど
この心臓に君がいるんだよ 全身に向け脈を打つんだよ
今日も生きて 今日も生きて そして 今のままでいてと
白血球、赤血球、その他諸々の愛を僕に送る
となります。「君」=「神」はもうそこにいなくても、自分の心の中の「君」がいつまでも「白血球、赤血球、その他諸々の愛」を送ってくれることに気づいて終わります。
いや〜良い歌詞でしたね!!!!
ちょっと歌詞が重くて28歳にもなって大声で有心論のこと好きって言われへんとか思ってたけど、普通に表現のギミックとか含めて、やっぱりすげえな…って思いました。
昔から気に入ってたキャッチフレーズのとこも、今読み返すと、
「中毒性がございます 用法容量をお守りください」って、逆に言えば用法容量さえ守っていれば、中毒にはならないということじゃないのかなと思います。
中毒になるのは用法容量を守らなかったユーザー側(僕)の問題で、人間洗浄機の問題ではない=君は悪くない っていう風にも考えられますね。
さらに、よくよく考えれば、通常でキャッチフレーズに、この「中毒性」や「用法用量を〜」という文言は入りませんよね。どちらかといえば取扱説明書のイメージでした。
しかも、「中毒性がございます 用法容量をお守りください」っていう文言、「用法容量をお守りください」は医薬品の注意書きとして用いられていますが、「中毒性がございます」は一般にある文言を歌詞に入れ込んだものだと思ってたんですけど、意外と存在しないんですね。
(「中毒性がございます」で検索しても、この曲の情報がヒットする)
一般的に使われている「中毒性〜」に近い文言は、
人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。(たばこ警告表示 - Wikipedia)
ですかね。お酒もそういう表示あったかな〜と思ったんですが、「飲みすぎに注意」程度ですね。
なので、
キャッチフレーズ+たばこ警告表示っぽいオリジナルの文言+医薬品の文言 が組み合わさった歌詞で独自の雰囲気が出来上がってるんですね…。
いや、高校の時はなんとなく「すげえな」でしたが、やっぱりいろいろ考えて「すげえな」でした。
(「思春期の頃に好きだった曲の歌詞を改めて聴く」ブログ書こうと思ってから、BUMP OF CHICKENの「ラフ・メイカー」にするか迷いました。)
2018年読んでよかった本まとめ
大学生の頃から、毎年年末に、良かった本の振り返りをしていました。
もともとmixiで始めて、途中からTwitterでやって、そのあとFacebookに移ってたんですけど、あとから読み返しやすいかなあと思って、今回はブログで書きます。
ちなみに、私のこのオススメ本紹介は「鍋の紹介が面白そうすぎてハードル上がったせいで、本自体はあんまり面白くなかった」と言われることが非常に多いので、話半分で読んでください。
ただ、本の振り返りを始めてから最も本を読めない1年でした。
ピーク時は年に100冊近く読んでたんですが、自転車通勤になって、視力もハードコンタクトじゃないと出なくなって(※円錐角膜という角膜が尖ってる病気。ハードコンタクトつければ視力が出るけど、アレルギーがあってつけられない時期が多いのと正直つけるのが面倒くさい)、どんどん読めなくなってしまいました。
でもハードコンタクトつけりゃ読めますからね。今年は読みます。
ということで、数は少ないですが2018年良かった本と漫画を書いていきます。
『地球はココです。私はコレです。』滝沢カレン
前も書きましたが滝沢カレンが好きで、去年の2月はこの本のお渡し会のために東京に行きました。
(滝沢カレンとツーショット写真を撮れるっていうことだったんですが、「応援してます」って言ったら初対面やのに「こちらこそ!」って言われてめちゃくちゃ面白かったです。)
この本は一応「滝沢カレンのスタイルブック」という体裁なんですが、ファッションや化粧だけでなく、レシピや横澤夏子さんとの対談など、いろんな滝沢カレンが詰まった本になっています。
滝沢カレンはよく「変な日本語」として、紹介されるのですが、滝沢カレンには確固たる文体があるんですよね。それは「変」なんて言葉で表して良いレベルじゃないと思っていて、この本ではその文章がたくさん読めます。
特にオススメなのはファッションコーデのページがで、滝沢カレンが自分のコーデの説明をしてるんですがめちゃくちゃ面白いです。
なぜかオススメ度を
・水族館デート
・女子会ディナー
・10年ぶりの友人との再開
・冒険
という4項目で解説していて、ただのデートではなく「水族館デート」だったり、友達と〜でなく「10年ぶりの友人との再開」という謎の縛りがあるため、解説がこの縛りに影響されてしまうんですね。
例えば、水色のシャツとデニム、水色のバッグとパンプスにサングラスのコーディネートの説明は
これは誰がどう見ても水族館デートに行ってください。全てをしっかり魚の気持ちも考えてなおかつ水に似合いすぎないように明るい空系の水色を入れることで大自然に大賛成していることを彼らにも見せられます。魚がしっかりと主役でありながらも水族館のある意味までも、しっかり服で言えます。水族館は室内&暗闇でやっています。サングラスはあくまで脇役です。室内に入ったら急いで外してください。
と書かれています。
滝沢カレンの特徴は「全方位に気遣いする」ところで、「魚の気持ちも考えて」の部分で象徴されるように、魚目線、水族館目線が存在するところがポイントですね。
また「水族館は室内&暗闇でやっています」という文章も、水族館に行ったことのない人、水族館がどういうものか知らない方に気遣った説明文となっています。
そして「サングラスはあくまで脇役です。室内に入ったら急いで外してください。」これも、滝沢カレンのコーディネートを真似して、サングラスのまま水族館に入って暗闇で楽しめない人がいてはいけない、という気遣いが感じられますね。
という感じで、滝沢カレンの一文一文に能動的に楽しむ気概がある方はめちゃくちゃ楽しめると思います。
10年以上の久々に会う友達には最適なコーディネートです。顔がいくら成長していようが、この人目を塞ぎたくなるほどの強烈な黄色が待ち合わせ時の相手への目印となります。黄色の服を着ているとだけ当日の待ち合わせ前に連絡を入れといてさえくれれば10年以上ぶりの再会も気まずくありません。
こちらも、10年以上会っていない=忘れられている場合のことも考えた内容になっています。
そういう感じで、いろんな文章を楽しみながら読み進めていくと、最後にめちゃくちゃ泣くことになりました。最後は、滝沢カレンが家族に向けて綴った文章が書かれています。
母子家庭で、母はずっと働いていたため、主に祖父母に育てられた滝沢カレンが、数年前に亡くなってしまった祖父、祖母のこと。祖父母が死んで、2人で頑張ろうというタイミングで癌が見つかってしまった母のこと。
滝沢カレンの文体は、文法的な間違いも込みで滝沢カレンの文体だと思ってるんですが、最後の家族に向けて綴られた文章だけは、いつもの間違いは見当たらず、きっと何度も何度も書き直したんじゃないかな、と感じました。
スタイルブックの撮影が始まった頃に母の癌が見つかったらしく、中止も考えたけど、母に喜んでもらうためにこの本を作ったということなども書かれていました。
それを考えて読み返すと、スタイルブックにしては盛りだくさんすぎるくらいの内容が、全て母へのプレゼントなんだと思えて、本当に感動しました。良い本ですよ。
ちなみに同時期に発売されたカレンダーも好きですよ。
(個人的には本の方がオススメ)
『ミステリと言う勿れ』①〜③巻(未完)
大好きな漫画、『7SEEDS』の作者、田村由美さんの新作漫画です。まだ未完ですが、1巻からめちゃくちゃ面白いです。
理屈っぽい男子大学生が、いろんな事件に巻き込まれながら、独自の理論を展開しつつ解決するような漫画です。タイトルにあるように、事件は起きるんですが、「ミステリ」と言っても、トリック的なものより、心理的な部分がメインになっています。
1巻から2巻のバスジャックの事件がめちゃくちゃ面白いんですが、 真相がわかってから読み返すと、心理的な伏線が読み取れて楽しいです。「この人はこういう過去があったから、こんな反応なんや」「この人はこういう思考やからこう言ったんや」みたいな感じです。
そして魅力は、主人公が名言を連発するところです。従来の日本的な価値観へのコメントがかなり刺さります。男女ともに、共感する部分や考えさせられるところもとても多いんじゃないかと思います。
『ブルーピリオド』①〜③巻(未完)
成績優秀でコミュニケーション能力も高いヤンキーが、絵を描く喜びに目覚めて美大を目指す、というストーリーの漫画です。
絵以外にも何かしら創作やってたら響くであろうセリフやエピソードが多いので、めちゃくちゃオススメです。
前にブログでもう少し詳しく書いたので、興味ある方はこちらを読んでください。
『ネコの手も貸したい』及川眠子
「残酷な天使のテーゼ」や「淋しい熱帯魚」など、有名曲を多数手がけた作詞家、及川眠子さんの作詞術について書かれた本です。
昨年、アポロ短歌堂で作詞をすることになって、天野慶さんに勧められて読みました。これまで短歌の入門書は読んだことがあったんですが、作詞に関する本は初めてでした。
短歌にも共通するテクニックが多数あって、非常に勉強になりました。例えば、音符の数に合わせて作詞する場合、類語辞典を使う、みたいな話は、まさに短歌でもやることですよね。
実際の歌詞を例にあげながら解説があるのでわかりやすいです。
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田 菜々子
内容はタイトル通りで、出会い系サイトで会った方に本をすすめた方のエッセイになっています。作者は、夫と住んでいた家を出て、自分の人生を
狭い人生……。
もっと知らない世界を知りたい。
広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい。
と振り返ります。
そして、出会い系サイト(と言ってもいかがわしいものというよりは、空き時間のマッチングサービスっぽいもの)に登録して、いろんな人と会って話をしながら、変わった人、怖い人も含めて、世界にはいろんな人がいることを再確認する、という内容でした。
実際、同じ会社で働いていて、同じ家に帰る生活だと、世界はどんどん閉じていくんだろうな、という感じがあって、その中で悩んでいることも、違う世界では大したことじゃないのかもしれないと思います。
『ゲイだけど質問ある?』鈴掛 真
ゲイであることを公表している歌人の鈴掛真さんが、みんなが抱くゲイを含むLGBTへの疑問に、実体験をまじえながら答えています。
非常にやわらかい文章で書いているのですが、内容は非常に大切なことだと思います。当たり前ですが、ゲイに限らず、どんなパーソナリティの人間とも「ひとりの人間」として向き合うことが必要なんだなと改めて感じました。
『ドラマ』ナタカ
去年は私家版歌集をいくつか読んでいて、その中で1番好きだったのがナタカさんの『ドラマ』でした。
ナタカさんの短歌は元々好きだったんですが、やっぱり歌集としてまとめて読むと、その人の良さが改めて感じられて良いですね。
好きな歌を挙げておきます。
アジフライやっぱり買えば良かったなアジの分だけ袋が軽い
迷って選ばなかった選択肢のことを、帰りにちゃんと思い出せる誠実さに惹かれますね。こんなに重いならお茶は明日でよかった…とかはよくあるけど、買わなかった分が軽いって感覚は意外と書けない気がします。
自転車に乗れた頃にはもうみんなキックボードで橋の向こうだ
私の周りでキックボード乗ってる友達はイケてる感じの人だったので共感度が高い。キックボードが流行ったのは結構ピンポイントな気がするので、世代感があって良いですね。
帰れなくならないように手加減をしながらめちゃくちゃに走り出す
どうにかめちゃくちゃになりたいけど、どうしても「我を忘れられない」感じというか、理性が効いてしまって、「めちゃくちゃに」って言いながら完全にはめちゃくちゃになれない感覚。はしゃげないし狂えないし踏み外せない感じですね。
現実は厳しいですね変身の間も敵の攻撃が来る
フィクションの定番と現実の比較。変身ポーズの間に攻撃しろよって子供の頃はよく思ってたけど、大人になってからはそれが「フィクションのなかの当然」だから何も感じなくなってしまっていて、ハッとしました。
他にもいろいろ好きな歌が多いんですが、紹介しきれないので、ぜひ読んでほしいです。
そして、2018年はついに、漫画『君に届け』が完結しました!!全30巻。
もう何年も読んできた漫画なので、もはや親のような気持ちで見守ってきましたが、みんな自分の道を見つけられてよかったですね…。全ての思いが成就したわけではないけど、物語がスタートした時より、格段と成長したみんなの姿を見られて感無量ですね…。
ちなみに、くるみちゃんはこのあとの別マで特別編が公開されていて、その内容がめちゃくちゃよかったです。しかも同じ作者の過去作品『CRAZY FOY YOU』の世界とも繋がってくるという内容でした。こ『CRAZY FOY YOU』で報われなかったあの人が出てきます。
これ今後どっかでコミックスに入ったりするんかなあ…。 この番外編、1つ目しか読んでなかったんですが知らんうちに2つ目も公開されていたらしいので、いずれコミックスになると信じています。
ということで、2018年に読んでよかった本の振り返りでした。
今年はもう少したくさん本を読みたいです。
【告知】俺の!歌会@東京 開催します!
2019年一発目の歌会は東京で行います!
過去に関西で一度だけ開催した「俺の!歌会!!」をやろうと思います。
「俺の!歌会!!」は、「人が詠んだ歌をまるで自分が詠んだ歌かのように紹介して、魅力を語る歌会」です。
全員の短歌を匿名で回収してシャッフルしてそれぞれ一首引く
→引いた歌を「人が詠んだ歌をまるで自分が詠んだ歌かのように紹介して、魅力を語る
という流れです。
「この歌で工夫したところは下の句の言い回しです」
「普段は全然使ってないけど古語を使ってみました」など、あくまで「自分の短歌」という設定で歌について発表してください。
歌会なので、ほかの参加者も「このフレーズが良いですね」のようなコメントや、「ここがわからない」「ここはどういう意味ですか?」などの質問をどんどんしてください。
ゲーム性強めのふざけた歌会に見えますが、自分の歌として発表するからには、ちゃんとその歌を詠み込まないといけなかったり、いつもとは違う方向から「読む」力が鍛えられます。
参加者は自分の歌を一首、必ずお持ちください。
*当日紙に書いていただくので、事前の提出は不要です。
できれば新作、もし無ければ既発表作でもかまいませんが、後ほどブログやTwitterに載せたいので、著作権には気をつけてください。(公開したくない方はご相談ください)
「 俺の!歌会」
★日時:2019年1月14日(月祝)14時〜17時
★持ち物:自作短歌一首(過去作OK)、筆記用具程度
★参加費:歌会 約1500円(会場費・ドリンク代。人数多ければキャッシュバック有り)
★定員:8名(先着)
★会場:池袋周辺(参加者には事前にお伝えします。)
★申し込み方法
Twitter 鍋ラボアカウント(@nabelab00)、または
nabelab00@gmail.com 宛に
【参加希望】
①名前(フリガナ)
を記載してご連絡ください。
よろしくお願いします。
2018年の振り返りと2019年の目標
あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします。
昨年は、なべとびすことして、関西では超有名番組のちちんぷいぷいで紹介していただいたり、大好きなQuizKnockさんにミソヒトサジや漢々楽々を紹介していただいたり、withnews でインタビューを掲載していただいたりと、嬉しいことの多い1年でした。
系統樹ごろく、漢々楽々という新作ボードゲームを2つ制作したり、はじめての歌集も発売し、CDを作ったり、ラップのイベントに出たり、天野慶さん、篠田くらげさんとアポロ短歌堂として、短歌の冊子の制作も行い、葉ね文庫でサイファーも主催しました。
短歌のワークショップ依頼を受けることも増えてきて、昨年に引き続き母校に授業に行ったり、今年もいくつか依頼をいただきました。
短歌を始めてからいろいろ続けてきたことが、少しずつ形になってきた1年でした。
でもまだまだやりたいことが多すぎるんですよね。
やりたいことが多すぎて、短歌を詠んだり、短歌を読んだり、短歌を勉強する時間が他の人に比べてまだまだ足りてなくて反省もしていて、やっぱり初心者向けとはいえ人に短歌を教えるなら、もっと短歌のことを知らなければいけないし、もっと勉強したいし、もっと上手くなって魅力的な歌を詠みたいと思っています。
そして、ちちんぷいぷいのインタビューでも聞かれたんですが、私の「目標」は「短歌に興味のない人を振り向かせる」ことです。はじめたころからあんまり変わってません。
そのためにミソヒトサジを作ったり、ワークショップしたりしてきました。
ボードゲームとかラップとかブログとかカラオケ系のイベントとか、「もうそれ短歌関係ないやん」みたいなことも言われ続けてきたけど、なべとびすこが何かやって一度も短歌の話が出ないことなんて絶対にないから、結局短歌のことを知ってもらうような流れにしているつもりです。
なべとびすこがいろんなことをやっててそのなかに短歌があるんじゃなくて、なべとびすこの中心は短歌にあって、それに付随するいろんなことをやってると思ってもらえるようにしないとなあと思います。ずっとそうやってきたつもりやけど、そうは見えてないみたいなので。
私なんかが短歌のことを必死になって伝えなくても、
短歌のことを知ろうと思えば、入門書もたくさんあるし、良い歌集もたくさん出ているし、ネットでもSNSでも短歌を発信する人もたくさんいて、地域差はあるけど歌会もたくさんあります。
でも、短歌のことを知らない人も常にたくさんいて、そのために短歌の入り口っていうのはいろんな場所にあって良いと思っています。
入門書、歌集、SNS、インターネット、うたの日、結社、学生短歌界、新聞、テレビ、雑誌、フリーペーパー、ZINE、歌会、ワークショップ、ネットプリント…まだまだなんか抜けてるものもありそうなくらい、
どこから短歌を知って、どこで発信していくのかは人によって違うと思います。
だから、短歌をやってても短歌のなかで知らない世界は多々あると思うし、これまで狭い世界でやってきた私は、今後はちゃんと知らない世界を知っていきたいと思います。
ということで今年の目標は、「短歌のwebメディア」を作ることです。
「短歌のすみっこを伝える」をテーマにできれば良いなと思います。
「短歌のすみっこ」がどこかは人によるけど、パズルをすみっこから埋め始める感じで、ちょっとずつ短歌のことを知っていけるメディアにできれば良いなあと思っています。
私だけでは大したことはできないので、いろんな方に協力していただきながら、少しでも多くの情報を伝えていけたらと思っています。
年末あたりから徐々に水面下で動き出していて、4月には発信し始めたいなと思っています。
今年はそれをメインにしていきたいです。ワークショップ等の依頼はいつでもお待ちしております。
また、新年一発目の嬉しいお知らせです。
ABCラジオ「橋詰優子の劇場に行こう!」(毎週土曜日18~19時)
1/5(土)の放送で、出演者5人がミソヒトサジを使って短歌を作ってくださるそうです。オンエアから1週間以内ならradikoで聴けるそうですが、予定のない方はぜひリアルタイムでお聞きください。
本年もよろしくお願いします。