なべとびすこのなすべきこと

やってみたいをやってみよう。短歌を中心にいろんなことをやっている歌人のブログ。

方向音痴ともうまく付き合わせてくれよ

自分は負のスペックを搭載しすぎている気がして、肩こり、近眼(しかも円錐角膜)、アトピー、花粉症、そばアレルギー、末端冷え性、不器用、天パ、ものすごい毛量、不器用とかまあいろいろあって、かつて書店でアルバイトをしていた頃に先輩から「生きてるだけで褒めてあげたい」とか言われたこともあるくらいなんですけど。

 

そういう負のスペックの中で一番困ってるもの、それが方向音痴ってことなんですよね。

私は短歌をやっていて、たまにTwitterなんかでは、歌人は方向音痴とか、歌人は免許持ってない(またはペーパードライバー)とか、それゆえ歌人は歌会の開始に遅刻してしまうというようなことがまことしやかに呟かれていたりするわけです。

 

もちろん歌人でも方向音痴じゃない人もいるし、まあ基本的には偏見というかネタみたいなもんだと思います。松岡修造が海外にいくと気温が下がるくらいのやつだと思います。

 

でももしかしたら、超有名歌人穂村弘さんの最初のエッセイが『世界音痴』なのも関係あるんですかね。

(※この本自体で書かれているのは、「世界」に対する自分自身の違和感みたいなもので、方向音痴エッセイではない。) 

本筋とは関係ないけどこのエッセイ、私が人生で好きな本ランキング作るなら多分トップ3入るやつなので強引に紹介したんで読んでほしいですけどね。

 

それで、方向音痴の話で、私がどのくらい方向音痴かというと、基本的に店に入るとどっちから来たかが全くわからなくなるとか、三国無双やってたら地図が読めなくて大将のとこにいけなかったとか(スプラトゥーンでも同じことになった)、分かれ道が1つしかないクリスタ長堀の中で迷子になったとか(

フロアガイド | クリスタ長堀)、就活では迷うことを前提にめちゃくちゃ早く行ったのにそれでも遅刻したことがあるとか、枚挙にいとまがないってこういう時に使うんですねってくらい方向音痴エピソードがいろいろあるわけですね。

 

先述した通り私は本屋でアルバイトをしてたんですけど、「巻くだけダイエット」とか「記録するだけで痩せる!」みたいな「○○するだけダイエット」的な本や、「○○すれば〜〜はうまくいく」とか、ダイエット、睡眠、健康とかいろんな方面のそういう解決法が載った本っていうのは毎日毎日見てたんですよ。 

 

こういうやつね ↓

 

こんだけいろんな本があるのに、方向音痴を解決する本が売ってないのってなんなんですか? 逆に方向音痴を解決する本あったらめっちゃ売れるんじゃ? 

そんなことを言うと「もう方向音痴は治されへんってことじゃ?」みたいなことを言うやつがいるんですけど、世の中には治せないものに対しても本があるんですよ。

 

それは「○○とうまく付き合う」っていうやつです。

 

 ↓こういうやつね

 

 

「方向音痴とうまく付き合う」って、それすら本屋で見たことないけど、方向音痴の人って方向音痴というだけで散々時間を無駄に使ってるでしょ? 「ロスタイムライフ」ってドラマありましたけど、ウチのロスタイムライフはこれまで道に迷って使ってきた何百時間や、道に迷うことを想定してめっちゃ早く行ったのに案外簡単で無駄に余った数時間ですよ。

そしてロスタイムライフは最終回の大泉洋のやつが最高に良いから見るべき。

ロス:タイム:ライフ Life in additionaltime [DVD]

 

子供の頃から方向音痴だったから、ずっと自分の目の前に矢印が浮かべばいいのにとお思ってて、iPhoneのマップのコンパス機能を教えてもらったときは「時代がウチに追いついた」って思ったけど、そのコンパス機能だってたまにバグるし、フェスの会場やデパートの屋内とか、紙の地図に頼らざるをえない場面もまだ存在する。

 

止むを得ず人に道を訊かないといけない場面もあって、そんな時に「〜をに進むと」とか言われると「はぁ?!」ってなる。重度の方向音痴の体内には東西南北の概念なんてなくて、あるのは前と後ろと右と左でしかないんですよ。

あと、神戸の人は「〜を山側に進むと」とか「海側に進むと」とか言いよるんですよ!どこの方向音痴が山と海を意識しながら街を歩いとんねん、もう一回言うけど方向音痴の私にあるのは前と後ろと右と左でしかないんですよ。

家の中にいてもどっちが北かはわからんけど、「あんたの部屋は北枕やから」って言われたことがあるから、私の部屋がある方向が北なんだと情報としてはわかっているけど、どちらかというと、「私の部屋がある方向」っていうのは、北と言うよりは「私の部屋がある方向」でしかないんですよ。

 

しかもいま私の目の前にある「右」は、右を向いた時に「前」じゃないですか? たまに方向音痴の人は紙の地図をぐるぐる回すって言うけど、あれと同じ感じで、私たちの右や左は毎回毎回まわり続けているんですよ。

 

あと、これは方向音痴だからわからないんですが、

例えば、大阪駅から三ノ宮駅はJRで30分なんですけど、大阪駅から京都駅もJRで30分なんです。それは情報として知っています。何回も乗り換え案内で見ていますからね。でも、だからと言って大阪と三ノ宮と京都の位置関係ってわからなくないですか?

 

大阪駅(私がいるところ)を同心円状として、そこから30分で三ノ宮にもいけるし京都駅にもいけるけど、そこに位置関係なんてものは存在しなくて、あるのは大阪駅から30分で三ノ宮にもいけるし京都駅にもいけるという事実だけなんですよ。

 

常に自分が円の中心にいて、そこからの距離でしかないんですよ。私が寝てる間に三ノ宮と京都の位置を神様が入れ替えても多分私は気づかないし、私と同レベルの方向音痴たちは気づかないでしょう。

 

あと、方向音痴の人って結局「空間認識能力が低い」ってことらしいんですが、この空間認識能力が高いとバスケットのシュートが入りやすいって「あひるの空」1巻で千秋先輩が言ってたんですが、方向音痴=バスケのシュートも入らないってことだと思うんですよね。 

もっといえば、方向音痴の人って、UFOキャッチャーも下手ですよね? 取れた試しがなくないですか? さらにいうと、方向音痴の人って、数学の展開図の問題苦手じゃないですか? このサイコロを組み立てたらどこの点とくっつくとかわからなくないですか? こんなんわかってどうすんねんって思ったけど、あれって方向音痴かどうかを確かめるためなんですか? 方向音痴の魔女裁判なんですか?

 

方向音痴じゃない友達に、「なんかそういう訓練した?」って聞いたら、ディアゴスティーニの組み立てるやつとかプラモデル作ってたとかいう子が多くて、私も子どもの頃にプラモデル作ってりゃこんなことにはならんかったんか? って思うと悔しさしかないですよ。 

 

しかもここまで書いてアレなんですけど、 方向音痴が治る本、マジでなんでないねんと思ってダメ元で検索したら……

 

『地図をグルグル回しても 全然わからない人の 方向オンチ矯正読本』

 

いや、あるんかい。