創作してる人みんな読んでくれ『ブルーピリオド』
本屋で久々に漫画をジャケ買いしました。
作者も知らんかったし前情報もなくて、でも「このマンガがすごい!2019」に選ばれてるらしいので、私が知らなかっただけかもしれません。
本当にたまたま見かけて買ったのが『ブルーピリオド』というマンガでした。
試し読みの冊子もあったので、ちょっと読んでみてまずは1巻だけ買って、読み終わってすぐにもう一回本屋に行って2巻と3巻を買いに行きました、4巻はたぶん来月くらい。
成績優秀でコミュニケーション能力も高いヤンキーが、絵を描く喜びに目覚めて美大を目指す、というストーリーなんですが、絵以外にも何かしら創作やってたら響くであろうセリフやエピソードが多くてめちゃくちゃ良いです…。
主人公はコミュニケーション能力は高いけど、周りに合わせる能力に長けすぎていて、自分が何を好きかとかどう感じているかではなく、周りのノリにうまく合わせてきたキャラクター。
でも、その主人公が、絵を通して「生まれて初めてちゃんと人と会話できた」と感じる場面が1話目にあります。
私は「短歌」をやっていますが、なにかを伝えるためにいろんな工夫をして、歌会とかで評をもらったときに、「伝わった」ことがわかって感動したことが何回もあります。
正しく伝えることだけが短歌の魅力ではないと思うし、おそらく絵でもそうなんですけど、ただの会話以上に何かを伝えるために工夫を凝らすのが創作なんだと改めて思いました。
また、主人公は絵を描くことで
絵を描くようになって 見えていたはずの景色が今までよりはっきり見えるようになった
かっこいいもんは世界に無限にある
俺がそれに気づけなかっただけなんだ
というふうに、これまで見ていた世界が変わって見える感覚を何度も抱くんですが、これも創作のメリットですよね。
私の場合、短歌は小さな発見がネタになるから、細かいことにちゃんと気付けるようになった気がしています。
あと、主人公が、ライバル視してる人に自分の絵に対してひどいことを言われたとき、
俺の絵にもっと説得力があったら
あんなこと言われなかった
と思う場面があるんですが、今後私も短歌のことで人に何か言われたらそういうふうに思って原動力にしたいなと思いましたね…なかなかこうは思えないでしょうけど。
好きなことをやるって
いつでも楽しいって意味じゃないよ
という言葉も、創作で悩んでいる方には刺さると思います。
漫画の中では、絵画のテクニック(遠近法や構図、色環の話など)についてもたくさん触れられていたり、鑑賞の仕方についてのエピソードもあります。
行き詰まっているときに、技法を身につけて前に進んだり、他の作品を見ることでヒントを得たりしながらどんどん上手くなる主人公を見ていると、自分は詠むだけじゃなくてもっとたくさん短歌の技法も知りたいし、多くの短歌を読みたいし、短歌について話したりしたいなと思って非常にモチベーションが上がっています
。2018年ももうすぐ終わりですが、これからも頑張っていきたいですね。