なべとびすこのなすべきこと

やってみたいをやってみよう。短歌を中心にいろんなことをやっている歌人のブログ。

3年A組の最終回を見ながら3年B組やC 組の子たちのことを考えてしまう人へ

3年A組、完結しましたね。

 

www.ntv.co.jp


第6話のときにもちょろっと感想書いたりしたんですが、私は大筋のストーリーより余計なことが気になる(ドラマにマジレスをする)タイプなので、ちょっと気になったことを書きます。

 

3年A組の生徒たちは、柊先生の10日間の授業を受けて、たくさんのことを感じたと思います。全力でぶつかってもらいながら、たくさんの言葉を聞いて、胸を打たれたと思います。

 

ただ、その10日間、3年B組やC組、D組(何クラスあるんかわからんが)の子たち、どう過ごしてたんかなって話ですよ。

 

本来行われる3月10日の卒業式をふつうに迎えたかった子もおったんやろうなって思うんですよね。
もしかしたら、卒業生代表のスピーチとか頼まれてた子もおったやろうし、そこで親に見てもらえるの楽しみにしてたんちゃうかなとか。

しかも彼らは最初の数日、ネットとテレビだけで情報を見てるから、A組の生徒は数人殺されたと思ってるはずで、もしA組に友達がいる子は気が気じゃなかったと思います。
もしかしたら受験とか控えてる子おったかもしれんけど、友達が殺されたかも、って思うと勉強なんか絶対できませんよね…。というかA組の子は受験とかなかったんですかね…?
推薦入学の話はあったけど。

 

HuluでA組の卒業式のストーリーやるって予告あったけど、B組やC組の子たちも、ちゃんと卒業式できたんかな…って思ってしまいますね。


確かに、物語のなかで言ってた通り、柊先生が命を賭けてあの10日間世の中には訴えかけても、世の中は変わらなかった。でも変わった人もいたはず…という話がありましたが、B組やC組の生徒は、授業中に近くの教室が爆破される、っていう体験をして、多少なりとも心に傷はついてるはずで、その心のケアとか誰も考えてなさそうじゃないですか。


学校側も建物の修繕とか武智と柊先生のぶん、人員足さないとあかんし…というか次年度の生徒を迎える準備とか絶対押してますよね…みんなサービス残業して対応するんやろうなあ…

 

あと柊先生がマインドボイスのユーザーから集めてた身代金、全額ユーザーに返金したって話がありましたが、それは学校の修繕に充てるべきでは…?


本性はともかく、武智の人気は学校の知名度向上に貢献してたはずで、その武智がああなったうえに、柊先生も逮捕された以上、学校の人気が落ちるのは目に見えてますよね。
校長の気持ち考えると辛すぎますね…。

 

そんなんドラマやから別にいいやんって思うかもしれないんですが、なんか気になっちゃうんですよね。


そういえば、私は昔からそういうところがあって、でもあんまりその話をしても誰にも共感されなかったんですよね。

 

でも大学のころに読んだ『ぼくらの』って漫画の6巻で、こういう考えをするキャラクターが出てきて、ちょっと救われたような気持ちになったんです。

もし私と同じく3年A組を見ながらB組やC組の生徒に思いを馳せていた方がいたら、ぜひ読んでみてくださいね。ただ、『ぼくらの』は6巻が異常に好きなだけで他の巻ぜんぶ勧めれるかというと個人的には微妙なので以下、引用させていただきます。

 

その子が、自分はアクション映画は苦手だって言うシーンのセリフを一部引用します。

 

ああいう映画ってたいてい一般の人達が巻き込まれて犠牲になるじゃないですか。
それも別にいいんです。そういう事態になれば実際に起こりえるわけだし、それをあえて避けるのもおかしい気がするから。

 

でも観客はたいてい、巻き込まれて犠牲になる群衆に関心をもたないですよね。

主人公達が死んでいくことには過剰に反応するのに

 

ぼくにとっては主人公達の死と、
画面の端で描かれる群衆の死は同じなんです。
虚構の中でそれぞれ意思をもち生活している人、違いがないはずなんです。

 

でも主人公が途中で出会った女の人と笑いながらエンディングを迎えるとハッピーエンド。主人公が死んじゃうとバッドエンド。
その感覚がわからないんです。
途中で群衆が一人でも犠牲になっていればそれはぼくにとってバッドエンドです。

 

この話はもう少し続きますが、それに対して大人が

 

「映画とかを純粋に娯楽のものとして捉えるなら、嘘でもいいからハッピーエンドっぽく見せかけたいわよね。
その虚構の世界のどこかで誰かがその事件のせいで泣いていたとしても、それを描かなければ問題として提起されないし認識されないし。

と言うと、

僕はそれが嫌なんです。
もし、それを普段からみんなが認識できるなら、現実でのいやな問題ももっと少なくなると思うんです。

 

3年A組で描かれたメッセージと、この考え方は部分的に共通するはずなので、B組やC組の子のことも、ほんの少しでいいから言及してほしかったんですよね。

 

まあそんな全方位に気を遣ったドラマ作りなんか無理なんかなあと思いつつ、恋愛ものとかでは、昔より「失恋した側」の救いが描かれてるような気もしているんですよね。

(前にそんなことも書いた)

nabelab00.hatenablog.com

 

フィクションのなかだからこそ、みんなに少しでも救いがあると良いなと思いますね。

 

ただ、3年A組に対しては、いろいろ言いつつ毎回楽しく見れました。良いドラマでしたね。