せっかくなので「彼女は今日、」の歌詞についてもうちょっと書く
ブログが告知とレポートの繰り返しになってきてもったいない気もしたので、ブログっぽいこと書きます。
先ほどのブログに書いた好きな歌詞語る会(
)で私が持っていった、the pillowsの「彼女は今日、」の歌詞について詳しく書きます。
というか、さっきの記事に入れたかったんですが、自分が持っていった歌詞だけ詳しく書くのよくないかなと思って簡略化してました。
動かないバイクに乗ってトンネルの向こう走る幻を見てた こっそりと
(彼女は今日、/the pillows)
歌詞全文はこちら→http://j-lyric.net/artist/a0006c3/l00bad3.html
大雑把に言えば、自分と彼女の縮まらないどころか遠ざかっていく「距離」を例えたものです。
自分は動かないバイクに乗っているのに、彼女は走っている=距離はますます大きくなる というだけでなく、自分と彼女の間に「トンネル」まであって、しかも走っているのは「幻」で、それを「こっそり」見てる、っていう何重にもフィルターがかかったような歌詞が切ない!という内容で発表しました。
しかし、発表後、歌詞全文を見ると新たな解釈も出てきました。
動かないバイクに乗ってトンネルの向こう走る幻を見てた
という歌詞は、二回登場します。でも、二回目は「こっそりと」という歌詞はありません。
そして、二回目の前の歌詞は「彼女は今日、」で終わるため、二回目の「動かないバイクに乗っている」のは「彼女」で、他の誰かを見ているのではないか、という説です。
自分→彼女→彼女が好きな誰か
という構造ですね。でも彼女はその相手を「こっそりと」は見ていないというところにさらなる切なさがありますね…。
ただ、二回目の前の歌詞は確かに「彼女は今日、」で終わるんですけど、曲で言うとここで間奏が入るので、本当に次の「動かない〜」とつながっているかはやっぱりわからない気もします。どっちにしても、主人公は彼女に相手にされてない感があるし、彼女はいなくなるしで、何にせよ切ないんですけどね。
the pillowsの歌詞は、自分の気持ちが相手に通じないって内容が多くて切ないです。
あと、歌詞中で犬に吠えられたり、犬にアドバイスされたり、猫がなついてたと思ったらエサほしかっただけとか、人間以外とも心が通じてなかったりします。雨にも降られがちなので天気とも相性悪いです。
キャリア25年のベテランバンドなんで、曲数多いし、ハマると楽しいです。
ぜひいろいろ聞いてみてください。
第1回 好きな歌詞語る会レポート
こんにちは。
3月21日に開催された「第1回 好きな歌詞語る会」のレポートです。大変遅くなってしまいました。
当日は6名が参加し、今回のテーマである「この比喩すげーな!って歌詞」について語ってくださいました。
●発表 なべとびすこ
動かないバイクに乗ってトンネルの向こう走る幻を見てた こっそりと
(彼女は今日、/the pillows)
歌詞全文はこちら→http://j-lyric.net/artist/a0006c3/l00bad3.html
自分と彼女の縮まらないどころか遠ざかっていく「距離」を例えたものです。これもう少し詳しく書きたいので次のブログで書きます。
●発表 のにし
夢を見ては打ちひしがれて 立ち上がってはまた憧れてさまよって
自分を知った気になって また分からなくなる そんな
青い春という名のダンスを
(青い春/back number)
歌詞全文はこちら→http://j-lyric.net/artist/a04fdf2/l02a9dd.html
「青春」を全体にわたって「ダンス」に例えている歌詞です。
●発表者 たゆか
点滴のように涙を落とす
(サンタマリア/米津玄師)
歌詞全文はこちら→http://www.uta-net.com/song/146926/
直喩で「涙」を「点滴」に例えています。同じ液体ですが、涙と点滴をつなげることって意外と思いつかない感じがします。
●発表者 イバヒデキ
二人の恋はまるで 三度離れたハーモニー
近くにいても手を伸ばせない
五線紙の上で
歌詞全文はこちら→
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=56317
「二人の恋」を「ハーモニー」に例えています。曲中ではこの部分を実際に三度離れたハモりで歌っているそうです。
●発表 ヨノハル
僅かな侮辱と憧れがマッチの残り香のように漂い、感じた。
感じたんだよ光を
(中略)
田園に降り注ぐ水のようにラッシュは街の中へ染み渡り、溢れまい
溢れまいと堪えていた。
(口笛男/Fozztone)
二つ目のラッシュを田園に例えている方は、ラッシュっていうあまりいいイメージの無いものを「田園に降り注ぐ水」として表現したのがいいですね。
(ネットで公式の歌詞サイトがヒットしなかったので、全文URLは省略します)
●発表者 カナタ
折れかけのペンで物語を少し
変えようとしたらいびつな喜劇になった
(ジョバイロ/ポルノフラフィティ)
歌詞全文はこちら→
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B12045
皆知ってる曲ですが、このフレーズ改めていいですよね…。
ここまでで一周したんですが、時間が余ったので、もう一曲ずつ発表しました。
●発表 なべとびすこ
正義は勝つとか言っちゃってる 自分の声でイッちゃってる
中が見えない入り口へ誘う。
愛が救うとか言っちゃってる 恥ずかしげもなくやっちゃってる
画面の中の壊れた顔につられて、皆笑う。
あっそう、もうどうでもいいけど
大事なもんは見えないまんまモザイクかかってる
(mosaic/ハルカトミユキ)
歌詞全文はこちら→
http://j-lyric.net/artist/a056f42/l02ee36.html
全体が「テレビ」について描かれている歌詞で、テレビだけじゃなくて、「大事なもの(リアルなもの)」を見せてくれない社会に対する批判になっています。
●発表者 のにし
喜びは流れる水のよう
救いあげた手のひらからするりとこぼれ落ちた
それでも繰り返すように
ささやかに両手を濡らす
(踵で愛を打ち鳴らせ/ASIAN KUNG-FU GENERATION)
この部分は「喜び」について書かれていますが、歌詞の中で怒り、哀しみ、楽しみのそれぞれが何かに例えられています。
歌詞全文はこちら→
http://j-lyric.net/artist/a0006b7/l0284be.html
●発表者 たゆか
空が群青に染まり行く頃
西の方角を取りの群れが横切る
お前たちはどこまでも飛んでいくがいいさ
僕だっていつか見つけてみせるよ
(緑閃光/上北健)
歌詞全文はこちら→
http://j-lyric.net/artist/a05a669/l03773b.html
●発表者 イバヒデキ
アラスカであなたが突然空気になったと
そんなこと信じられると思う
飛行機のプロペラがまわっているのに気づかないほど
オーロラに夢中だったのね
(極光/さだまさし)
歌詞全文はこちら→
http://j-lyric.net/artist/a0004ab/l013be6.html
実際の写真家の方をモチーフに書かれた歌詞のようです。
●発表者 ヨノハル
あれは春という鮮やかな光 悲しみを溶かしまた出会えるように
今は遠すぎる 互いの日々も溶け合っていくだろう そのままの声で
歌詞全文はこちら→
http://j-lyric.net/artist/a00b172/l00c287.html
●発表者 カナタ
人生が二度あるならこんな険しい道は選ばないだろう
でもこの一回 たった一回しかチャンスがないのなら
何もかも諦めて生きていくつもりはない
(Fight For Liberty/UVERWORLD)
歌詞全文はこちら→
http://www.kasi-time.com/item-68062.html
●発表者 イバヒデキ
ヒマラヤほどの消しゴムひとつ 楽しい事をたくさんしたい
ミサイルほどのペンを片手に おもしろい事をたくさんしたい
(1000のバイオリン/THE BLUE HEARTS)
歌詞全文はこちら→
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=39501
最後に、のにしさんが持ってきた「わからないけど皆と話がしたい」と持ってきて一番盛り上がった歌詞です。
君の白い腕はまるで 青いたたみのようだね
(若者たち/サニーデイ・サービス)
歌詞全文はこちら→
http://j-lyric.net/artist/a009851/l02d5a8.html
「白い腕」って言ってるのに「青いたたみ」…?
とか、「青いたたみっていうのは若いとか新しいってこと?」とか「たたみはいい香りするからそういうこと?」とか「寝転んでたら顔に跡が残るからとか?」などいろいろ話しあって盛り上がりました。
というわけで、知っている歌詞も知らない歌詞もたくさん知れて非常に楽しかったです。
最後の「君の白い腕はまるで 青いたたみのようだね」が謎めいていて非常に盛り上がったので、第二回やるなら、テーマは「好きやけど良さを説明できひん歌詞」にしたいと思います。
4月29日の古本市や5月はYUTRICK展などありますので、6月以降にやりたいと思っています。
以下、募集中ですので、ぜひよろしくお願いします!
4月12日まで(本の感想を短歌にしてください。短歌のしおりをつけて古本市で売ります)
4月15日まで(写真を短歌にしてください。甲南大学のギャラリーで写真と短歌の展示会を行います)
古本市出店&ウィズ短
なべとびすこです。
ONLY FREE PAPERさんの展示に行ってきた
こんばんは。
ゆるっと企画告知「好きな歌詞語る会」
こんばんは。
私は短歌が好きです。
でも、音楽も好きなんです。
ということで、
3月21日(月祝)17時〜19時 大阪市内のカフェ
「第1回 好きな歌詞語る会」を開催します!
今回のテーマは「この比喩すげーな!って歌詞です。
この比喩すげーな!って歌詞のフレーズを紙に書き写してお持ちください。
参加希望者は
nabelab00@gmail.com
宛に件名を「好きな歌詞語る会参加希望」にしてご応募ください。
または、鍋ラボのTwitter「@nabelab00」宛にDMをお送りください。
参加希望者には返信いたします。
第1回と銘打っているということは、好評だったら次回もやるということです。
初回が好評ならば続いていく可能性が高いですね。ぜひよろしくお願いいたします。
短歌をやっていく上で、やっぱり他のジャンルの良いところもしっかり勉強していきたいと思っています。
だから音楽とか本とかボードゲームとかいろんなジャンルのイベントを開催したいし顔を出したいです。
ということで短歌とラップのBarもやりますし、
フリーペーパー研究会にもゲストとして出ます。
http://yutrick.hatenablog.jp/entry/2016/02/14/120420
節操ないと思われるくらい、なんでもやっていきたいです。
待ってます。