なべとびすこのなすべきこと

やってみたいをやってみよう。短歌を中心にいろんなことをやっている歌人のブログ。

金田一少年の事件簿 許したくない犯人ランキング

許したくない金田一少年の犯人ランキング

 


前にも金田一少年の事件簿については書きましたが、

好きな事件と好きな犯人は違うんですよね。

そして、好きな犯人もいれば当然嫌いな犯人もいます。

 


金田一少年の事件簿、めちゃくちゃ凶悪事件が起こりまくっているような世界ですが、快楽殺人とか、むやみやたらに猟奇殺人が起きてるわけじゃないんですよね。(そういうのが読みたい方はサイコメトラーEIJIを読みましょう)

 


7巻の金田一のセリフがわりと象徴的で、

 


「人殺し」なんて本当は誰だってしたくないんだ

だけど時として人は逃げ場のない苦悩にとらわれ悩み苦しんだあげく

最後の選択として 悪魔のささやきに耳を傾けてしまう

 


ということなんです。

基本的に、彼らは生まれながらの殺人者ではない。

普通の人が、どうしようもなく許せない出来事が起きて、計画殺人を犯してしまうパターンが多いです。

(衝動的なパターンや、親からほとんど洗脳されているなど、違うパターンもありますが)

 


だから、金田一の場合、犯人に多少同情できるような作りになっています。

実際にはどの事件も被害者が多数出てるし(短編は除く)許してはいけないのかもしれませんが…

 


そんな状況のなか、

「絶対に許したくない」最悪な犯人、いますね。

おそらく皆の頭のなかにも浮かんでるはず。

身勝手な放課後の魔術師か? 

関係ない人を巻きこんだ見えざる敵か? 

むしろ関係ない人しか巻き込んでない殺人鬼ジェイソンか? 

可愛い幼女を殺した黒死蝶か? 

メインのキャラを殺した赤髭のサンタクロースか?

 


みたいな。

 


「何を許せないか」は人によって違っていて、その許せなさに個性が出てくると思います。

ここからは私の独断と偏見により作成した、許したくない犯人ランキングとなります。

 

 

 


1位 葬送銀貨(仏蘭西銀貨殺人事件) 

 

 


自分と似ているマスミを利用して、できるだけ手を汚さずに殺人計画を進めるのがマジで悪質。

罪を着せる相手に恨みがあるならまだしも、生い立ちが似てるから、本来ならおそらく共感しあえるであろうマスミを駒にするところが最悪。


あと、何が嫌って、ほかの犯人に比べて動機が弱い。

母のように慕っていた人に裏切られた(と勘違いした)苦しみはたしかに計り知れん…まあそこまではわかる…が、六条とか殺す意味あったんか…?

いずれライバルになるから先に殺しとこって発想やばない? そこは実力で勝てや。って思いますね…。小夜子も別に殺すまでせんでもよくない…?

狙うとしても犬飼と君沢。そこからは自分の力でのし上がっていけよと思いますね…


しかも、自分の元カレ、マスミの元カレにぬわえ、六条、小夜子、犬飼を殺し(直接手はくだしてなくても)、君沢を殺人未遂までしといて出所する気満々なのが腹立つ。

君沢に許され、幼馴染に愛され(そしてその幼馴染をトリックに利用)、人に恵まれ、才能にも恵まれたなかでこのクズ具合。

 
ほかの犯人は、周りの人の支えがない状態で唯一信頼していた人が殺された、→殺人計画

みたいな流れで、もちろんこの犯人も生い立ちは複雑ではあるけど、たぶん気付けたはずの周りの愛情があるのが腹立つところやと思う。

あと、なんか反省してる感が薄い。もっとみんな全身で後悔してるやろ。 

後悔して償おうとしてるんじゃなくて、この後に及んで自分の夢のために早く出たい感じが透けてる。ほんまに身勝手。嫌いやわあ… 

 


2位 殺人鬼ジェイソン(悲恋湖殺人事件)

 

 


たぶんアンケート取ったら許せない度ランキングめっちゃ上になると思う。
愛する人が殺された」→殺してやる!のパターンは金田一では王道の展開。


でも、 


愛する人が殺された←殺されたと言っても水難事故でボートが沈みそうな状態で止むを得ず突き放された←その人もめちゃくちゃ後悔して償いとして医者としてたくさんの人を救ってる←その人はある程度絞れるけど、最終的に誰やったかわからん


という状況で、

 
わからんかったら候補者全員殺したろ!!


という思想、ふつうにやばい。

 
けっこうな殺人計画を練ってるわけですが、その労力があれば、同じボートに乗ってた周りの人を探して、証言とか聞いて、男か女かとか、若いか中年かとか、もしかしたら目撃証言拾えたかもしれん。性別か年齢か絞れたらだいぶ削れますからね。

 
そこまでやってからようやく、
愛する人が殺された」→殺してやる!

 
をようやく実行する段階やと思う。

結局ジェイソンが殺した人間は、全く関係ないまま死んでいったわけです。

 
あと、たまに「金田一と出会ったらどうやって死を回避するか」みたいなテーマがネットとかでたまに盛り上がるけど、

このジェイソンの話のせいで、 


「恨みを買ってなくても死ぬ」

「犯人のマズイものを見たわけでなくても死ぬ」

に加えて、

「美雪の親戚でも死ぬ」

「現場に行ってなくても死ぬ」

 
ことがわかってしまった。

ただ、生い立ちで言うとこの犯人も壮絶ではあって、いろんな支えがない状態で、愛する人だけが支えやったんやと思う。

年齢も含めて、その辺はけっこうしんどい部分もあるので、やっぱり送葬銀貨のほうが嫌いなので2位。

黒死蝶に出てくる彼がこいつやとしたらもう無理。

 


3位 放課後の魔術師(学園七不思議殺人事件)

 

 
たぶんこれもアンケート取ったら許せない度上位になると思うけど個人的には3位。

いつもの金田一のパターンとかなり異なるのは、復讐ではなくて「隠蔽」、そして計画殺人ではなく突発的な殺人なんですよね。

 
殺人の理由は全て「過去の悪事がバレる」ところに起因してて、ずっと秘密を隠すために殺人を重ねてきたっていうところに正直許せる余地はない。

ただ、元々は組織の犯罪やったものを押し付けられたんやと考えると、けっこう哀れというか、昔以上に会社の圧力はすごかったやろうし、NOと言える状況になかったんやと思う。寝ずの番ですからね…寝ずの番という言葉この漫画で知ったな…

 
たぶんこの人はこの人で必死やったんやなと思ってしまう。大人になると余計に。子供の頃やと共感できんかったかもしれん。

だからと言って殺された人たち、殴られた美雪に全く罪はないので、やっぱりクソオブクソですわ。

 

 

4位  見えざる敵(金田一少年の殺人)


ストーリーとしては面白い、けど動機としてはクソ。

ジェイソン、放課後の魔術師と同じく、被害者は罪のない人ばっかり。(最初の被害者はクズ度も高いけど一応ジャーナリストとしての告発もあるから完全な悪人でも無さそう)

 
罪のないだけじゃなく、なんなら仲が良いくらいの人も殺すのがきつい。

最初の被害者には彼なりの正義もあったんやと思うと、1番の悪は完全にあの医者。金田一に出てくる医者のクズ度(※怪盗紳士の殺人魔犬の森殺人事件など)

 
いろんな退路を断たれたなかで、藁にもすがる思いやったんやと思う。

でも、関係ない金田一に罪を着せようとしながら、暗号を解くためだけに罪のない人を殺して、それが「病弱な娘」のためという理由で許していいのかというところですよね。

ただ、ガチで反省してるのは最後に痛いほど伝わるので、トップ3に比べて下のほうにしました。

 

 

5位 首狩り武者(飛騨からくり屋敷殺人事件)

 

これもけっこうキツイ話。

被害者の数は少なくても、どう考えても征丸を殺すのがキツすぎる。

頑張って育ててきた良い性格の息子より、血の繋がりはあるけど性格はクソの自分の息子を幸せにするための殺人。

でも、そんな愛情、結局事件が無かったら伝わらんままやったはず。

 
あと、遠因になってるのが犯人が学生時代にいじめられたことなんですけど、お前が大好きなお前の息子、親戚だけじゃなくて絶対学校でもいじめたりしてるやろ、って思うんですよね。僻みで弟に毒を盛るような男ですよ。

その息子に対して「立派に育って」とか言っちゃう盲目さも怖い。

金田一に出てくる怖い母親ランキングあるなら、七人目のミイラの母親首狩り武者黒死蝶の母親やと思う) 

 


6位   黒死蝶(黒死蝶殺人事件)

 
アンケートで嫌いなランキング取ったらたぶん1位か2位。可愛い幼女を殺したのが最悪と言われてるし、ふつうに普段の態度からわりと嫌なやつ。

しかも、よく考えれば自分の婚約者も殺してるんですよね。婚約した時点で復讐する気で近づいたと思うと、婚約者側の気持ち考えるとつらすぎる。


あと、最終的に「悲しい勘違い」で、紫紋以外は殺さんでもよかったあたりも辛い。

でも個人的には、こういう子どもの頃から恨みが刷り込まれてるようなパターンって若干許したい気持ちが出てしまうんですよね…

(七人目のミイラとか、被害者数めちゃくちゃ多いけど、完全に幼少期から洗脳されてるし、あそこから抜けるのきついと思う)

 
黒死蝶もあの状況で個人の力で真実を明らかにできたとは思えんし母親を恨むのは仕方ないと思う…

せめて紫紋と緑だけ狙っといたら良かったんちゃうかな…

でも罪の重さを感じてますからね…それを死んで償うのが良いかどうかは置いといて…


ほかもモヤモヤする事件いっぱいあるけど、ここまでの6人は特に許したくないですね。

 

 

今回は金田一の今年か書いていませんが、普段は短歌をやっております。