なべとびすこのなすべきこと

やってみたいをやってみよう。短歌を中心にいろんなことをやっている歌人のブログ。

文学フリマのことやミソヒトサジのこと

お久しぶりの更新となります。

いろいろやってたのにブログにおこせず、申し訳ありません。

この夏、何をやっていたかと言いますと、9月18日の文学フリマ大阪にて、YUTRICKのブースを出店するため、入稿作業に追われていました。

YUTRICKブースでは以下の作品を出品しました。

☆YUTRICK展作品集(冊子)
☆文フリ記念ネプリ「文雄割拠」(無料頒布)
☆短歌/俳句/川柳トートバッグ
☆31SCREEN e.p
☆短歌カードゲーム「ミソヒトサジ」
☆深川青歌集「BLUE RULE」

 

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以上の作品、委託販売できるお店を探しています。
「このお店置けそう!」とか、逆にお店の方から「置かせてください!」という声があれば良いなあと思いつつ、少しずつ営業をかけていきたいと思っています。

文学フリマでは本当にたくさんの方とお会いして、知ってる人にも知らない人にもたくさん買っていただきました。
音楽コラボの31SCREENやカードゲームのミソヒトサジは短歌を知らない層にも届いたと思うし、逆に短歌を求めてる人は作品集や青さんの歌集を買ってくれたような気がします。
嬉しいですね。

この中でなんといっても1番時間がかかったのが、短歌カードゲーム「ミソヒトサジ」。
すでにTwitter上で話題になっておりますが、改めて概要を説明させていただきます。

「ミソヒトサジ」は、5文字の言葉と7文字の言葉が書かれたカードを使って遊ぶカードゲームです。

☆特徴1
遊び方は無限大!

ひとつのゲームを買う、というよりは、トランプのようにたくさんの遊び方ができる、ひとつのパッケージと捉えていただけると嬉しいです。

現在初版の取扱説明書に掲載されているルールは3つ。これから少しずつ増やして行こうと思っています。

詳しいルールや動画も随時UPするのでお待ちください。

うたいちもんめ
句ミーティング
付句バトル
など

☆特徴2
無地カードでカスタマイズが可能!

ミソヒトサジは200枚入り。
5文字のカード(ゴローカード)、7文字のカード(ナナコカード)はそれぞれ100枚ですが、内20枚は、言葉の書かれていない無地カードとなっております。

カードはペンで書き込める素材なので、ペンや鉛筆、フリクションなどで好きな言葉を書くことができ、ポイントも自分で決めることができます。

なので、身内だけでウケる単語を入れるもよし、季語を入れて俳句でも遊べる仕様にするのもよし、です。好きに遊んでください。

発売1週間、短歌を知らない人にも広がっています。
Twitterで爆裂エゴサーチをかましていると、短歌を一首じゃなくて一句と数えたりしている人もよく見るけど、「間違ってますよ!」とか言うんじゃなくて、そういう人にもちゃんと広がってることを喜びたい。
最初は遊びでもいいから、短歌に触れる1つのきっかけになってくれれば嬉しいです。
そのうちの一人がいつか、カードの言葉だけじゃ足りなくなって、無地カードも使い切って、自分の言葉で短歌を作り出したときが本当の始まりだと思います。

これまでもいろんなところで言っていますが、私が初めて歌集を買った場所はハルカトミユキのライブの物販で、いわゆる本屋じゃないところで短歌を買ったんですよね。
だからこそ今も短歌のフォーマットに囚われすぎずに活動してると思ってます。

ライブハウスで歌集を手に取ったように、ボードゲームショップで短歌のカードゲームを買ったっていいと思う。カードゲームをきっかけに短歌を始めたっていいと思う。

私がやってる色んなことって、場合によってはふざけてるように見えてるかもしれないけど、根本はずっと一緒で、「辛いときに短歌が必要な人が絶対いて、その人に短歌を届けたい」ってことなんです。
でも、本当に辛いときは、新しい趣味なんて始める余裕なんか無かったりするから、そのときのために短歌に一度触れておいてもらいたいんですよね。
誰にも言えないことを吐き出せるのが短歌の良さやと思うし、短い言葉に濃縮することで自分の心の本質を見つめられるのが短歌やと思います。
最近私はあんまり短歌を詠めてなかったりしたけど、今回カードゲームを作って色んな人が遊んでるのを見たら、そういうことを思い出しました。

文学フリマに来ない層に、本屋に来ない層に、どこまて短歌を届けられるか。それが自分が今、1番やりたいことなのかなあと思っています。

歌会たかまがはら6月号、B.R.W.S paradeのこと

こんばんは。

なべとびすこです。

 

先日、歌会たかまがはら6月号のゲストに呼んでいただき、公開収録をしてきました。

歌会たかまがはらは

 

Ustreamを使い、N○Kのラジオで放送している某夜はぷちぷちする短歌の番組のように皆様の短歌をご紹介する番組です。

blog.goo.ne.jp

と言っても、私は短歌を始めて2年なので、「夜はぷちぷちする短歌の番組」も実は噂にしか聞いていないんですけど、とにかく、お題に対して短歌を応募していただいて、それをゲスト(今回は私)が選んで紹介する、というものです。

 

今回、「大人」というお題を出したところ、全183首の短歌が集まりました。

私と司会のうずめさんが選んだ短歌は後ほどたかまがはらのブログに掲載されると思いますが、とにかく、量が多い中から短歌を選ぶ、ということをあんまりしたことがなかったので良い経験になりました。

1回目ザーッと流すように見て、2回目は精読して、という風にやってみたんですが、光ってる短歌は1回目から光っているように見えました。

(光ってるっていうか、単に私の好みですが)

一発でわかる!というよりは、「なんか気になる」って感じで、2回目見る時にしっかり読みたくなる、という感じでした。

っていうのを何回も繰り返して選んでいきました。

 

自分が出す時も、そういう風にたくさんの短歌の中で光っていないといけないんだろうなーと痛感しました。

 

あと、Ustreamで1時間話すっていうのもなかなかない経験なので楽しかったです。2月にネットラジオに呼ばれた時よりはリラックスして話せたかな…。

 

あと「ゲスト」って響きがいいですよね…いろんなところに呼んでほしいです。実力つけないとね。

 

 

ということで、「ゲスト」って響きもいいですけど、「講師」って響きもいいですよね!

先週は「B.R.W.S parade」というワークショップイベントで、短歌講師としてお話とワークショップをしてきました。

 

イベント概要→

utaten.com

 

このレポートは次のブログでしっかり書きます。(ワークショップで作った短歌なども紹介したいので)

 

先日は私一人で講師を行ったのですが、6月26日(日)18時〜は歌人天野慶さんが講師となって短歌講座を行います!

私もアシスタントとして頑張りますので、ぜひ来てくださいー!

 

申し込みはこちら→

docs.google.com

 

前回のブログで告知した「日本茶×短歌企画」は6月25日(土)です!

こちらもお待ちしております!!

nabelab00.hatenablog.com

日本茶×短歌企画

こんにちは。

新企画の告知です。

これまで、YUTRICKも含め、短歌×写真とか短歌×読書とか短歌×カラオケとか、いろんなことをやってきましたが、

「味覚」ってかけ算してないな…?!

ということで、新たな企画を立案しました!

 

日本茶×短歌企画!!

 

京都でお茶を飲みながら短歌を詠みます。

具体的には、日本茶の味のイメージを膨らませて、短歌を詠みます。

日本茶インストラクターの秋保さんにご協力いただきます。

 

その場で淹れてくださるお茶3種類のなかから1種類をランダムで選んで飲んでいただき、お茶のイメージを短歌にしていただきます。

全員が短歌を詠み、お茶を飲み終わったあと、それぞれが短歌を発表。

それぞれどのお茶を飲んで詠んだ短歌なのか? を推理しながら、合評を行うという流れです。

終わればお菓子持ち寄り懇親会で、ゆったりとした時間を過ごしましょう。

 

☆日時 6月25日(土)14時〜16時

 

☆集合場所 地下鉄四条駅5番出口

☆会費 1000円(場所代、お茶代など)

☆持ち物 筆記用具

☆参加方法 Twitterアカウント(@nabelab00)にDM、または、nabelab00@gmail.com宛で、件名を「日本茶短歌参加希望」にして、本文に筆名を記載してお送りください。

 

※交流会参加の方は、お菓子を1品持ってきてください。

 

 美味しいお茶を飲みたい方、単純に京都に遊びにいきたい方、短歌が好き/詠んでみたい方のご応募、おまちしております!

森ノ宮まちライブラリ古本市レポート

こんにちは。

4月29日に森ノ宮まちライブラリで開催された古本市で「TSUMIKI BOOKS」という名前で出店しました。

これまでに奈良の大門玉手箱、兵庫の芦屋川古本市には出店したことがありましたが、その際、「ただ古本を売るだけなら、もっと本に詳しい人の方がいいやろうな…」と思ったんですよね。

せっかく本も短歌も好きな私が古本市に出すなら、何か面白いことをしたい!と思って「ウィズ短」を企画しました。

nabelab00.hatenablog.com

 

自分の好きな本(小説、エッセイ、漫画、絵本、歌集、雑誌など)にちなんだ短歌を一首詠んでください。
感想を短歌にしても、主人公のイメージを短歌にしても、本のテーマから連想した短歌を作ってもかまいません!
 
という内容で応募いただいた短歌、同様に私が作った短歌をつけて、古本を販売しました。
 

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こんな感じで、本を完全にカバーで隠して、短歌と値段のみで販売しました。

中身が分からないから注目してもらえるし、「これ何?」と聞かれたら「短歌です」と説明できるので、本をきっかけに多くの方に短歌についてお話しすることができました。

 

ご応募いただいた短歌を紹介したいと思います。

 

※短歌/作者名(@Twitterアカウント)

(『元となった本』本の作者)

 という順序で記載しています。

 

もう居るの裸の心配性さんがだから図書館で待ってる/

(『つづきの図書館』柏葉幸子

 

わたくしの指がそわそわし始める嘘で固めた桜の中で/

(『四月は君の嘘』(第1巻)新川直司

 

ずっとずっと好きと鳴いておりました空の器官で見えない瞳で/

(『サマーサイダー』壁井ユカコ

 

永遠に小5 の夏であるようなまぶたの奥のきみを見ている /シュンイチ(@y_xy11)

(『しずかな日々』椰月美智子)

 

でこぼこの日々 まっすぐに帰る道 誰かがいつも語ってた夢/シュンイチ(@y_xy11)

(『帰宅部ボーイズ』はらだみずき)

 

ああこれはひみつのはずだ きらきらと君のしんじつ夜にこぼれて/かつらいす

(『プラネタリウム梨屋アリエ

 

らんらんららん、ららんらん十二個のひかりとなって燃やすよ、いのち/真篠未成(@Mashino_Misei)

(『ねこはしる』工藤直子

 

路地裏のレトロはまるくてかしこくてメトロポリスを誰も知らない/真篠未成(@Mashino_Misei)

(『大王』黒田硫黄

 

育つほど醜いならば育たないほうがいいだろそうだろ諸君/亀山真実

(『ライチ光クラブ古屋兎丸

 

鍛え上げられたお前の肉体をトルソオにして喰らいたいのだ/亀山真実

(『仮面の告白三島由紀夫

 

神が与え給うたあなたの琥珀の眼 今日も世界の終わりを見てる /花撫(@ellis_kanade) )(『琥珀のまたたき』 小川洋子

 

時間とか空間とかいう概念は捨ててしまえよ ここは《妄想》(フィクション) /花撫(@ellis_kanade)

(『月世界小説』 牧野修

 

愛という精神病から目を覚ませ!彼女は本当にファム・ファタールか?/花撫(@ellis_kanade)

(『郵便配達は二度ベルを鳴らす』ジェームズ・M・ケイン)

 

平凡のなかで作った泥だまり連れ出される日をただ待っている/なべとびすこ

(『アズミハルコは行方不明山内マリコ)

 

常識を疑うことを拒まれた子らのお腹がぐうぐうと鳴る/なべとびすこ

(『カルト村で生まれました』高田かや)

 

当日は18冊持って行きましたが、15冊売れました…!

買っていただいた皆さま、短歌を応募してくださった皆さま、本当にありがとうございました!

 

「普通の歌会」レポート

5月7日、5と7の日=短歌の日! と思って、歌会をしてきました。

タイトルは「普通の歌会」。

ここのところ、「短歌×カラオケ」とか「短歌×読書」とか、腐女子ばりのかけ算大好き女と化しておりましたが、一度初心にかえってみました。

 

参加者12人(うち3人は見学者)という私のイベントにしては大所帯な人数で開催することができました。

ありがとうございます。

 

以下、参加者の詠草一覧(2名は未公表希望なので計7首)です。

 

水曜日午後の鍵盤ハーモニカ息継ぎの度大気が揺れる/のにし

 

本当に琵琶湖の水の止め方を知っているのか琵琶湖県民

 

タンババシタンババシバシタンババシと丹波橋駅通り過ぎゆくいばひでき

 

深刻なあなた不足が叫ばれる恋愛途上国の者です宇野なずき

 

伏せ置きの書物のように膝開く決して言わない言葉の代わりに

 

逆月へ 辿る指先 依るべ無く 背を呼ぶ声も 眼差し空ろ由香

 

高床式倉庫に夢を蓄える ミッキーマウスにかじられぬようなべとびすこ

 

 

以上です。

終始和やかな感じで非常に楽しかったです。

そのあと、いつものごとく短歌カードゲームをやってみました。

ルールを改変したり、新ゲームを試してみたりしたんですが、めちゃくちゃ盛り上がりました。ざっくり言うと、五文字と七文字のカードを組み合わせて短歌を作るゲームです。

 

ゲーム内でできた短歌。

 

ウエストが観音開き不思議だね中はしっとりかもしれないね

 

ナウシカもくるったようにフラダンス地獄のようだゴルフ場にて

 

好きだった木村拓哉とあと少しゴルフ場にて脱兎のごとく

 

ぜったいに殺してみろよそれはもうコナン君かもかもしれないね

 

こんな感じです。

こちらのカードゲーム、商品化を目指しておりますので、今後もcheckしてくださいね。

 

最後に、以前にも告知しましたが、来月の「歌会たかまがはら」のゲストに呼ばれています!

ぜひ短歌のご応募、なべとびすこへの質問をよろしくお願いします。

 

また、6月12日には公開収録もございます!

ぜひ見に来てください!

 

blog.goo.ne.jp

 

短歌グッズを着ていく予定です。

suzuri.jp

「彼はいわゆる辞書歩きをした。」

告知も何も無いブログを書きたいと思ったので、とりとめのない思いを書く。
 
言葉を超えたい、って思ってる。
言葉を超えてる!って思うときに感動する。

言葉を超えるっていうのは、通常の文章であれば×がつくような、WORDで打ったら波線つけられるような、文法的には間違ってたり、普通の使い方じゃ絶対しないような言葉の使い方のこと。それを全力で面白がりたい。
 
 
それで、このブログのタイトル。
「彼はいわゆる辞書歩きをした。」
なんか変な感じがする文章。これは、高校の英語のテストで書いた私の回答。
 
確か、原文は
He is what is called walking dictionary.
で、点数のポイントは2つ。
「what is called」を「いわゆる」と訳せたかどうか。
もう1つは「walking dictionary」を「動詞+ing」で動詞の意味が後ろにかかる、という文法をおさえてるかどうか。つまり、walking dictionaryは「歩く辞書」になり、
 
「彼はいわゆる歩く辞書だ。」
が正解。
 
私の回答は「彼はいわゆる辞書歩きをした。」なので、「いわゆる」をおさえたので一点加点。でも「辞書歩き」の訳は間違ってるので結果は△。
当時、友達から「てか、辞書歩きってなんやねん?」と罵倒された。
 
辞書歩きっていうのは、
辞書引いてるときに
→(対義語)
みたいになってるページに行って、今度は類義語が出てきたり、ほかの言葉が気になって調べたりする感じ。
wikipediaで延々とジャンプした結果、「そもそも何調べてたんやっけ?」ってやつ。
「ネットサーフィン」の辞書版が「辞書歩き」なんや!! 辞書歩きって聞いたことなかったけど、たぶんそうや!!
ということをテスト中に一瞬で考えて書いた。
自分も「辞書歩き」って言葉は知らなかったくせに、「ネットサーフィンがあるかは辞書歩きも絶対にあるはず」という若さゆえの謎の自信。(当然「辞書歩き」って言葉はこの世に無い。)
 
ただ、17歳の私に言ってあげたいのは、
「ネットサーフィンがあるなら辞書歩きもあるやろ」って考え方は好き、しかも辞書歩きっていう、この世に無い言葉を瞬時に生み出したセンスが好き、ってことだ。
 
私は韻が好きで、韻にも種類はあるけど、好きなのは「母音を一致させる」というやつ。
少年少女」と「正面衝突」「冒険衝動」「当然今日も」で母音を揃える、みたいなやつ。
(↑この例はKICK THE CAN CREWの「イツナロウバ」という曲で使われてる韻)
 
前にも紹介したけど、韻についての研究は細川貴英さんのブログや本が面白いしわかりやすい(

www.fumu.in

)。
でも、なんで韻が好きかっていう理由は、たぶん細川さんとは違うところにある気がしてる。
 
 
私が韻で1番好きなフレーズはKICK THE CAN CREWの「magic number」という曲でLITTLEが歌ってる部分。
 
歌詞の流れは、とにかく「日本語ラップは最高だぜ!」ってことを言いたい感じ。
 
それを言うときに
エンドレス」と「言語です」(母音が「えんおえう」で一致)で韻を踏もうとしたんやと思う。
でも、LITTLEは天才ラッパーなので、この2つで満足するようなレベルじゃない。
日本語ラップには、エンドレスだせじゃなくて、限度がなくて、鮮度もある…
 
その結果生まれた歌詞がこちら↓
 
エンドレスで限度レス 鮮度ネスな言語です
 
すごくないですか?
「ボーダレス」とか「シュガーレス」みたいな、ときに使う「レス」と、「フレッシュネス」「カインドネス」とかのネス。これを日本語にくっつけて
「限度レス」とか「鮮度ネス」って言葉を無理やり作ってまで、
「エンドレス」と「言語です」と同じ「えんおえう」って母音で韻を踏んでるんですよ!!!
 
ボーダレスがあるなら限度レスもあるやろ!! みたいな、そんな強気な感じがものすごく出てる。
 
これが私がやりたいと思ってる
言葉を超えてる!!
ってやつです。
 
やっぱり、言葉を使ってこれまでにない表現をしたいと思う。
 
それが自分のなかで上手くいったなーって思える自分の短歌はこれまでにたま〜にあった。
 
 

常温の毛布と体温分け合ってたった一人で春を身籠る

 

これは、自分で言うのは恥ずかしいけど、「春を身籠る」ってフレーズ、良いですよね。

これを生み出すためにやってみたのが「韻」で言葉のバリエーションを考えるって方法。

元々は

春を彩る

って言葉から「いろどる」の部分で韻を踏める言葉を考えてた。

それで、「身籠る」が出てきて

春を身籠る」はオリジナリティあるな!と思って、すぐにメモして、そこから広げた。

だから、短歌の中では韻を踏んでないけど、普通の「春を彩る」っていうよくある言い回しが下敷きになってるから、とりあえず耳触りはよくなるってところがポイントな気がします。

 

「桜舞い散る

桜張り切る、桜がイビる、桜ダシ汁

みたいな。

「桜張り切る」は使えそうですね。

今日も桜が張り切っている

とかいう下の句も作れそう。

 

そんな感じで、韻からキャッチーなフレーズ作るの楽しくないですか?!

まだ誰も言ってない言葉、誰もしてない組み合わせで、言葉を超えていく。

それが作れたら、短歌に入れたくなっちゃいませんか?!

ぅてことなんですよね。

短歌も韻も楽しいので、どんどんやっていきましょう。

 

今日は「うたの日」のお題が「韻」でした。応募しましょう。

うたの日

短歌入門書大好き女が「もしも短歌がつくれたら」に行ってきたこと、など

牛隆佑さんの「もしも短歌がつくれたら」に行ってきました。

 

という話の前に、私は短歌の入門書を読むのが好きです。

「短歌入門書大好き女」なのです。

 

これまで読んだ入門書はこんな感じです。おすすめの意味も込めて全部あげてみます。

穂村弘『はじめての短歌』『短歌という爆弾』『ぼくの短歌ノート』

枡野浩一『かんたん短歌の作り方』

俵万智一青窈『短歌の作り方、教えて下さい』(短歌初心者の一青窈さんに俵万智さんが短歌を教える本

天野慶『ウタノタネ』

 

西加奈子せきしろ『ダイオウイカは知らないでしょう』

(厳密に言えば入門書ではないですが、作家の西さんと芸人のせきしろさんが連載で毎月短歌を作る練習をする、という内容です。)

 

周りの短歌を詠んでる人に、「短歌の入門書読むの好きなんですよ」と言うと、読んだことない、って人ももちろんいるので、この際入門書の魅力を伝えておきたいと思います。

入門書は、その筆者が創作をする上で、大事にしている部分が書かれています。

 

なので、歌を詠む際の「物の見方」、「言葉の選び方」、定型(五七五七七)を守ること(リズム)など、重点が置かれている場所がそれぞれ違います。入門書なので、どの本にも共通する部分はありますが、比重はかなり異なります。

ちなみに、私が一番好きなのは穂村さんの『はじめての短歌』ですが、ほとんどが「物の見方」の話で、紹介されているものも破調が多く、定型についての話はほんの少しです。

あと、入門書には必ずいろんな名歌の引用が載っているので、知らない歌人の作品と出会えるのもいいですよ。

 

ということで、昨日は

牛隆佑さんの「もしも短歌がつくれたら」に行ってきました。

牛さんが初心者向けの内容で、「何を教えてるのか?」をチェックしたかったんです。

 

ワークショップの内容をそのまま引用してみます。

 

短歌、あなたも作ってみませんか?

 

短歌は五・七・五・七・七という形で作られる、日本古来から続く歌のスタイルです。

この会では「いい作品を作ろう」というスキルアップを目指すものではなく、

「言葉あそびをみんなで一緒に楽しもう」という目的で、

短歌を作ったことがない方でも楽しめるようなプログラムです。

 

ということで、初心者向けの短歌ワークショップで、毎月第二木曜日にやってます。

 

昨日は、「短歌を作る準備運動として、小説の冒頭文を書いてみましょう」という内容でした。テーマがないと描きにくいので、お題の紙を引いて、まず小説をバーっと書きます。冒頭文なので、ちゃんと終わらさなくてもいいので、書きやすいです。

 

それを読み上げて、印象的なフレーズをいくつか拾いだます。

この部分はすでに7文字なので、二か四句目か結句に入りそう、とか、六六になっているので、助詞を整えたりとか、いろいろ動かしながら考えてみます。

うまくいかなったら牛さんがアドバイスしてくれます。

 

私の場合は、テーマが「鳥」でした。小説の内容は、翼はあるけど自分は人間なので使えない。使えない翼はただの柄だ。みたいなものでした。

 

作った短歌は

 

飛ぶことのできない羽根は柄である 重たい柄に風がぶつかる

 

火の要らぬ生活のなか人間の証明書の字がかすれて消える

 

鳥だって飛びたくない日があるように生きたくない日も生きねばならぬ

 

飛ぶことに憧れている僕たちが火を使わない生活をする

 

翼など要らない鳩が歩いてるところを襲ってあげてる子ども

 

 

二首目と四首目は着想がほぼ同じで、言い方を変えただけです。

1首目は、小説から取り出した時は羽根ではなく「翼」でしたが、音を整えるために変えました。

5首目は、「鳥」だったところを「鳩」の方が具体性が出る、ということで変えたり、アドバイスをもらいながら修正していきました。

 

小説の冒頭文から作ると言っても、ストーリーよりも、「印象的な言葉(パンチライン)」を拾える、という点が大きなメリットかと思います。また、小説の中にすでに個性が出てるので、それも短歌に組み込めるというところも良いですね。

牛さんの大事にしてる部分、ふわっとわかった気がします。行ってよかったです。牛さんありがとうございました。

 

 

ところで、短歌にハマってる、と言うと、短歌の説明を求められることも多いです。

「短歌って何?」「好きな短歌は?」とか。で、せっかく短歌に興味を持ってもらったら、やっぱり良さを伝えたいって思います。そういうときのために、初心者が一発で笑ったり、「おー!」って言うような好きな短歌を用意しておくと楽しいです。

私は最近ラップ(韻=ライミング)にハマっているので、韻の説明もできるように用意してるので、「韻ってなんなんですか?」「好きな韻はなんですか?」って話しかけてみてくださいね。話しかけられる準備はできています。

 

でも、「短歌の話になることってある?」という人のために、こんなものを作ってみました。

 

suzuri.jp

短歌グッズ!!

短歌パーカー!短歌Tシャツ!短歌マグカップ!などなど!!

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これを着て、

「そのパーカー可愛いやん!…田中IS HERE…?」

「田中じゃなくて短歌!」

 「短歌ってなんやっけ」

「それはね…」

 

という流れに持ち込んでください。短歌に興味を持ってもらう餌を撒くのです…。

 

 

おいおい最後に告知かよ、って思いましたね。

 

さらに告知です。

blog.goo.ne.jp

 

 Ustreamで短歌の紹介をしている「歌会たかまがはら」さんのゲストに呼ばれています!!

ありがとうございます…。

募集テーマは「大人」です。

 

短歌と同時に、なべとびすこさんへの質問も応募できます…質問ある人いるんでしょうか。

ご応募よろしくお願いいたします!!