「言bar」レポート
4月2日、梅田のコモンバーシングルスで短歌とラップと大喜利のバー、「言bar」を開催しました。ちなみに、このバーは講習を受ければ誰でもマスターになれて、いろんなコンセプトバーを開催することができます。楽しいのでもっといろんな人がマスターになって言葉のイベント開催して欲しいですね。
→詳しくは
ということで、短歌と大喜利とラップ。
まずは短歌です。今回も「うたいちもんめ」で遊びました。
5文字のカードと7文字のカードを組み合わせて、交換したりしながら短歌を完成させます。
今回できた短歌で好評だったのはこんな感じです。
なんて日だ何もわからず好きだった木村拓哉と世界の果てへ
空を飛ぶ桜の花がはるばると世界の広さ地獄のようだ
冬の朝抑えきれずに待ちたまえ木村拓哉と訴えてやる
過去もうたいちもんめでいろいろ紹介してますが、みんな「木村拓哉と」カードうまいこと使いすぎなんですよ。
うたいちもんめ以外の遊び方も考えてたんですが、時間が少なくてこれしかできなかったです。
続いて大喜利。
木曜何某さんが司会をしてくださったおかげで、大喜利の方がたくさん参加してくださって非常にありがたかったです。
大喜利初心者の方も参加してくださって、人数も多かったので非常に楽しかったです。
最後にラップです。
参加者は短歌とか大喜利はやったことはあったと思うんですが、ラップが好きな人はほぼいなかったと思います。つまり、私がやりたかっただけです。
とりあえず、ラップとライミング(韻)は違うっていう話から、
基本的なことを説明しました。
韻の条件「二つ以上の言葉の母音が一致していること」
例)
言葉(kotoba)/諸刃(moroha)/底だ(sokoda)
:すべての母音が「o o a(おおあ)」で一致している
みたいな話から入りました。
このへんの説明は細川貴英さんの著書『声に出して踏みたい韻』から要約しつつ、実際の歌詞を見ながら説明、といった感じでした。
(細川さんはブログも面白いです
)
映画「木更津キャッツアイ」の主題歌、「シーサイドばいばい」の歌詞は
木更津の街並み
過ぎていく足並み
残してくアリバイ
押しつけなタシナミ
この街の明日に
家族のまじわり
塩辛い涙に
というように、アンダーラインを引いている部分の母音が「あいあい」で、テーマの「ばいばい」を強調させてるよ、みたいな感じです。
説明の後、みんなに「課題」と同じ母音の言葉を言ってもらうというのをやりました。
些細 ささみ 話題 裁き たたみ 嵐 仲居 山菜 魔界 甘い やっかみ
さっぱり 肩に 生身…
など。
レベルを上げて「少年少女」の7文字で挑戦してみましたが
側転虚無僧とかいう謎ワードも飛び出してめっちゃ面白かったです(めっちゃ面白かったのにメモするの忘れた)
実際の曲を聴いてみて、韻を踏んでいる部分がわかったら手を挙げるとか、いろいろ試してみました。
最後に、せっかくなので、「韻を踏んだ短歌を作ろう」というのをやってみました。
5・7・5・7・7の7・7の部分(下の句)でまず踏んでみようということで、
「うたいちもんめ」で使ったカードの中から韻を踏む言葉を決めました。
「逃げっぱなしの」
だったので、「逃げっぱなしの」のと韻を踏める言葉を探して
「事件は最後」になりました。
上の句もやってみようということで、初句はカードから「知ってるか」になりました。
いろいろ出して言ったんですが、「十手(じって)ルアー」という謎の言葉が飛び出し、よくわからんけど面白かったので採用しました。
「知ってるか十手ルアーの」まで来たので、三句目は「手ルアーの」という後半で韻を踏むことになりました。
完成した短歌はこちらです。
知ってるか十手ルアーのテクはWAO! 逃げっぱなしの事件は最後
「知ってるか」と「十手ルアー」、「手ルアーの」と「テクはWAO!」、「逃げっぱなしの」「事件は最後」で3回韻を踏めました。
最後まで十手ルアーってなんやねん…って感じですが、めっちゃ楽しかったです。
短歌が三十一文字の制限の中でやるからこそ面白くなるように、韻を踏もうとすると母音の制限がかかるため、面白い言葉、独創的なのある言葉が生まれるんじゃないかと思います。
また、3文字程度では誰かがもう踏んでるやろ、と思って長くしてみたり、まだ誰も踏んでないような言葉を探したりするのも楽しいです。語彙の引き出しが増える感じですね。
最近衝撃的だった韻はCreepy nutsの「中学12年生」で「皆のユートピア ミラノ風ドリア」で踏んでたことです。(その前に「いざというときは」でも踏んでる)
韻についてはこれを読んでください。もっとくわしくいろんなテクニックについて書いてあります。ぜひ!
短歌、大喜利、ラップ、それぞれ別の面白さがあって非常に楽しめました。
こういうジャンルを超えた遊びはどんどんやっていきたいと思います。