webで見れる好きな対談
前々から言うてますけど、「対談」が好きなんですよね。
もちろん、こういう対談の本を読むことも多いです。
↓『穂村弘の、こんなところで』
今回は、せっかくなんで、webですぐ読める記事のなかで、好きな対談をまとめてみました。(数年前のやつも多いです)
そもそも、対談って良いなあと思い始めたきっかけがこの記事。
穂村弘×ハルカ(ハルカトミユキ)
もともと私は穂村さんファンで、そこからハルカトミユキを知ったんですが、ハルカトミユキにハマりかけてるくらいでこの記事を読んで、より引き込まれました。
穂村さんが言っている内容は、エッセイなどでもよく出ている話ではありますが、ハルカさんも穂村さんのエッセイは全部読破しているので、その辺の良さをしっかり受け止めて進んでいる感じですね。
ハルカ:31文字に無理やり収めてる感じでしょうか。31文字なんですけど、31文字だけじゃないんですよね。何も説明していないのに、書かれている言葉以上のことが書いてあるように読めたんですよ。「これは私にとって小説や散文詩を読むよりも面白い」と思って、そこからいろんな歌集を読むようになりました。
↑の対談が掲載されているCINRA netは好きでよく見ているのですが、好きな対談が多いです。
対談の良いところは、対談相手に興味を持つきっかけになるところ。
ハルカトミユキにハマった私は、この対談も読んで、きのこ帝国を聴くようになりました。
ハルカ(ハルカトミユキ)×佐藤(きのこ帝国)
ハルカさん→穂村さんのような、憧れの人と話すような対談のパターンも好きですが、こういう同世代で感覚の近そうな人の対談も好きです。
同世代同士のパターンで言うと、もう圧倒的に一番好きなのがこれ。
大塚愛って、「さくらんぼ」で売れて(デビュー曲ではない)、そのあとも「Happy Days」とか「SMILY」とか「ふレンジャー」とか明るい曲も多いし、もちろんしっとり系の曲も良い曲多いんですけど(「プラネタリウム」とか「黒毛和牛上塩タン焼680円」とか)、やっぱり「さくらんぼ」のイメージで明るい人やと思ってたんですよ。
で、安藤裕子は逆にちょっと影もありつつ不思議なイメージじゃないですか?
このインタビュー見たら度肝抜かれたんですよね。
--大塚さんは安藤さんにどんな印象を?
大塚 愛:小鳥と話せそうだなぁ。
一同:(笑)
大塚 愛:フィーリング的なものを大事にしながら生きている感じだから、絶対に私のことを心の底からキライだろうなって……
安藤裕子:この人、ネガティブなんですよ(笑)!大塚 愛:いや、私はキライなタイプのど真ん中にいたと思う。
安藤裕子:小鳥と話せる優しい人がそんな風に思う?
大塚 愛:「何あれ? 歌じゃなくない?」って思われていたんだろうなって。
安藤裕子:被害妄想が激しすぎる(笑)。
大塚 愛:「大塚 愛、可愛い」なんて「可愛いのレベルがめっちゃ低いな、チープだな」と思ってイラっとする(笑)。
--そこでどんな会話をするんですか?
大塚 愛:文句が多い。
めっちゃ暗いやん…
どういう気持ちで「わーたしさくらんぼー!」「もう一回!!」とか言ってたんやろう…
でも、安藤裕子が言ってるように、裏では体調悪そうにしてても、ステージ上では全く見せないっていうところで、この人すごいな、プロなんやな、って思いました。
もともと安藤裕子のTwitterフォローしててたまたま見つけた記事やったけど、知ってるつもりになった大塚愛のイメージが180度変わって、ほんまに読んでよかったと思いました。
憧れの人との対談、同世代対談とかはわかりやすいけど、「コンセプトヤバイな」って対談も良いですよね。一番好きなコンセプトはこれ。
タイトルが
the pillows山中×バカリズム 顔が似る二人は、内面も似てるのか?
いや、顔似てるだけで対談組むのすげえなって。
これOKやったら、三浦大知×伊沢拓司とかいけるやろ…やってくれよ…!
山中:基本的に俺、「誰かと対談したい」って思うことがあんまりないんだけど、升野さん(バカリズム)だけはどうしてもお会いしたくて。というのは……升野さんはいまいちピンとこないと思うんですけど、the pillowsの界隈では、僕と升野さんの顔がすごく似てるという話になっていて……。
バカリズム:あ、それ、僕も言われたことあります(笑)。
山中:やっぱりありますか(笑)。で、ツーショットでも撮れたら、俺としては相当嬉しいなと(笑)。
こういう軽い動機から始まったものの、売れない時代が長かったという共通点とか、山中さわおっぽい「オルタナ」ってテーマもでてきて楽しめました。
あと、これ一番最高やなって思ったのが。
―山中さんは、そういうこだわりって何かありますか?
山中:俺の場合はMCとかかな。若いバンドとかで、誰かのフォーマットをそのままやってるパターンってよくあるじゃないですか。「今日はこんなにたくさん集まってくれてありがとう。最後までよろしく!」とか「のってるかーい!」とか。あれにすごく違和感があって。もちろん、ちゃんと心がこもっているなら「集まってくれてありがとう」でいいと思うけど、それほど思ってもないのにテンプレートとして言っているから、気持ち悪いんだよね。何にせよ自分の言葉で言おうっていうのは、若い頃からあったかな。
後輩のバンドとかで、「MC何も考えてなかったです」とかステージ上で言ってるのを観ると、「そのくだりいらないよ!」って思う。
山中:ホントいらない。絶対MCやること決まっているのに、しゃべりだす寸前に独り言のように、「ああ、今日、何も言うこと考えてないな」って言って、そのあと本当に何も考えてないクオリティーのMCをやったら、「バカじゃないの? 考えろよ!」って思う(笑)。ステージ上でサボっていいことなんか一個もないのに、MCを考えないとか、何をやってんだって思うんだよね。
これ、ライブ行ったことある人わかると思うんですけど、
山中さわおのMCってめちゃくちゃ面白いですからね。
「久しぶりじゃないか」「元気だったかい?」「俺元気」っていう挨拶から始まるっていう定番のやつ含め、毎回MCめちゃくちゃちゃんとやるんですよね。オチまでちゃんとあるしふつうに面白いんで、説得力ありますね。
LITTLE×細川貴英
あと、そもそも私が「韻」に興味持ったのは、この対談のおかげです。これも、LITTLEのTwitterフォローしてたらたまたま見つけて、面白かったからこの細川さんのブログチェックしてて、書籍にたどり着きました。
この本読んでなかったら、ラップやりたいなあとか、いろいろ聴いてみたいなあとかなかったと思うので、きっかけになった対談には感謝してます。
憧れの人との対談パターン、これも好きでした。
峯田のファンで、ずっとメールで愚痴を送っていた大森靖子のことを覚えてたっていうのも感動的で、なんかすごいなあって。
──峯田さんが当時の大森さんに「歌ってみれば」とアドバイスしたわけじゃないんですよね?
峯田 言ってないと思う。でもいつもけっこう長いメールだったから、これを歌詞みたいにして歌えばいいのになっていうのは思ってたかな。
──峯田さんはアーティストとしての大森さんの存在を知ったのはいつですか?
峯田 誰かに聞いたんだよね。大森靖子っていう名前のミュージシャンがいて、面白いんだよって。いつだっけな。けっこう前に聞いて「大森靖子ってあの、俺にメールくれてた人かな?」と思って。
──名前を覚えてたんですね。
峯田 うん。だっていつもメールのタイトル「大森靖子」だったから。
あと、やっぱり他ジャンルの対談は面白いんですよね。
穂村さん(短歌)とぼくのりりっくのぼうよみ(ミュージシャン)で、年代とかも違うんですけど、だからこそ短歌の定型の話とか韻の話とかも出てきて面白いと思いました。
「キニキリームキロッキ」の話なんかも、穂村さんのインタビューとかでは定番の話題ですけど、そういうのテッパンの話題って、他ジャンルでも結局ウケるから、なんか改めて読めて嬉しい、みたいなのありますよね。
個人的にこのあたりも面白かったですね。
穂村:もしTwitterが31文字だったら、日本中がみんなそれでツイートするわけだから、歌人だらけになったはずですね(笑)。俳句の人たちは17文字に設定したかったでしょう。でも、Twitterの文字数が適していて、あの長さで連続的にネタを書ける人っていうのも存在する。メディアができたことで才能が顕在化する。
ちょっと本当はまだ他もあるんですけど、一旦この辺にしときます。