なべとびすこ自選短歌31選
先週の話になりますが、withnewsさんに私のインタビューが掲載されました。
最近ブログでは短歌以外の内容も意識的に増やしていたんですが、記事を読んで検索して来る方ももしかしたらいるかもしれないので、自選の短歌31首を掲載します。
私の短歌に関しては、Twitter等で感想を書いていただけると嬉しいので、ぜひお願いします(紹介の際、作者名は併記してください)。
ポケットのないドラえもんが現れてぼくを試すかのような顔つき
僕たちはどこでもドアでどこまでも行けるんだけどまだ使わない
(苦しいと言っちゃいけない苦しいと言っちゃいけない)とても「 」
頼りない安全バーを握りしめずっと夢中なフリをしている
頼んでもないのにドアが開く街で呼吸をひらく相手がいない
咲いているだけで咲き誇るだなんて僕らは呼吸じゃ生き誇れない
煙にも影があるんだシャッターの前であなたは怪獣になる
踊り字を目一杯まで踊らせる 筆ペンで書く「野々々々々々村」
常温の毛布と体温分けあって一人っきりで春を身籠る
伏線になりそうなセリフだけ吐いて二度と登場しない男性
僕だけがうまくできないことばかり蝶々結びがすぐにほどける
「絶望」の子音を変えたら「鉄道」になるから行ける Let's go future.
似合わない苗字になった先輩が自分に似合うドレスを着てる
私には急須以上のものでしたあなたがへそで沸かす綾鷹
本日もいのちの電話はつながらず僕よりつらい人たちがいる
オダギリ(上)オダギリ(中)オダギリ(下)僕が見ている世界は一部
日本中被災地ばっか宇宙には星屑ばっか 君に会いたい
夏服の君をまだ見たことがないポロシャツ、キャップ、かき氷のベロ
はい、いいえ。「はい」ばっかりの円グラフみたいな桜の花びらを踏む
いま起承転結で言うとどの辺り? ここで転とかふざけてんじゃねえ
あなぬけのヒモじゃ会社を出れなくて「こういうものには使いどきがあるのじゃ」
敵のいない世界で生きる 経験値ぜんぜんあがらないけど ▼いきる
タイマーを最新型にしてからはウルトラマンが殴り続ける
カイロって蝉みたいだな袋から出ても結局死んじゃうなんて
屋上が封鎖されてる 青春の葬儀を済ませた学校だろう
朝ドラのヒロインならば「終」と出る場面で全然切り替わらない
ABCDって全部答えたい消した答えが可哀想だし
自転車のタイヤを空気でパンパンにしてからずっと町が揺れてる
ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる町 でもふるさとを他に知らない
ふるさとを離れた人がふるさとを語るテレビをふるさとで見る
走っても町は追いかけてこなかった どんどん離れて行ってさよなら
以上です。
ほとんどの短歌は歌集『ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる』に掲載されています。
200首載っていて、送料込みで1000円です。短歌以外のコンテンツもあります。
『ふるさとと呼ぶには騒がしすぎる』の通販はこちらから、