なべとびすこのなすべきこと

やってみたいをやってみよう。短歌を中心にいろんなことをやっている歌人のブログ。

「即興小説バトル」とかいうめっちゃ面白い企画

明日はホビーボウル企画というものを行います。

http://nabelab00.hatenablog.com/entry/2017/08/14/000929

 

めっちゃ簡単にいうと、いろんな趣味の人たちで交流しようね、というものです。

 

10時〜短歌ワークショップ(ミソヒトサジと短歌コラージュ)

12時30分〜即興小説バトルワークショップ

15時〜ミニボドゲ

という流れですが、この「即興小説バトル」についてご説明します。
即興小説バトルは横林大々さん考案の「リレー形式でつづられる、2分30秒のライティングノベルバトル」です。

〈ルール〉
①「お題(絶対に入れないといけない言葉)」「どういう話か」「ジャンルか」をクジで選び、出場者は、それを元に即興小説を書く。

②じゃんけんで先行後攻を決めて出場者の二名は共通のパソコンでリレー形式で小説を完成させる。

③即興小説バトルは ・起のターン ・承のターン ・転のターン ・結のターン という計4ターンで執り行われる。
順番は起のターン(先攻)→承のターン(後攻)→転のターン(先攻)→結のターン(後攻)の交互。

④各ターンには『執筆』と『発表』の時間が設けられている。 『執筆』の制限時間は各2分30秒ずつ。 『発表』は執筆が終了次第、書いた小説を披露する。方法は基本自由。

⑤最後に、投票で多い方が勝ちとなる。


とはいえ、本当に即興で小説なんてできるの?という人のために、24日の企画ではワークショップ形式で行います。


また、先日chatcastを使って、なべとびすこVSとうきょうたろうさんで即興小説バトルを行いました。
こちらの内容を転載しておきますので(※横林さん、とうきょうたろうさんには許可済み)、こういう雰囲気か〜!と思って見ていただければ。
 

★なべとびすこVSとうきょうたろう 第1戦

『コンパス』を使った『子どもが夜眠れなくなる』『学園』小説


〈起 とうきょうたろうさん〉

「明日の授業ではコンパスを持ってきてください」
小学3年生のとき、先生がこういった。

さっそくおかあさんにいうと、ちょっと心配そうな顔をする。
「このとがったところ、絶対にさわっちゃだめよ」
「さわったらどうなるの」
「もうお母さんに会えなくなるかもよ」

 

〈承 なべとびすこ〉

なぜ「とがったところ」触るとお母さんに会えなくなるのか、当時は全くわからなかった。算数の授業中、むやみやたらに慎重になってしまい、逆に針を強く机に立てることができず、円を描くたびに滑って、書き損ねてしまうこともあった。
しかし、「とがったところ」に触らなければ大丈夫だ。何度も背中に冷や汗をかきながらも、結局一度も「とがったところ」に触ることはなく、小学校、中学、高校とうまい具合で授業をこなして、僕は大人になった。一人暮らしになった今も、母とは月に一度は会えている。
ただ、ふと考えることがある。もしあのころ「とがったところ」を触っていたらどうなっていたのか、と。

〈転 とうきょうたろうさん〉

そんなある日、実家に帰ることになった。
「なぁ、母さん」
「なに?」
「俺が小学生のときさぁ、コンパスの針に触ったらあかんって言ってたやん。あれなんやったん?」

「そんなこと言ったっけねぇ。忘れちゃったわ」
「なんやそれ」
「でもね。きっとあんたのことが心配だったのよ」
「え?」
「あんたはそそっかしいからね。けがしてほしくなくてねぇ。」


〈結 なべとびすこ〉

なんだ。あれは、嘘をついたら閻魔様に〜と同じ類のものだったのか。
結局、大人が子供を自分の思うように動かしていくための、ぬるい呪いのようなものだ。しかし、嘘をついている僕たちが地獄で閻魔様と合うかどうかなんて、正直、死ぬまでわからない。
でも、コンパスの「とがったところ」なら。
今、目の前にあるコンパスを触れば。もしかしたら、母の言葉が真実かどうかを確かめることができる。
母の死期が近いと知ったのは最近のことだった。苦しんで死にたくないと日々言っている。これを触れば。でも。

死ぬのは母じゃなく、僕かもしれない。

 

★なべとびすこVSとうきょうたろう 第2戦


・『宇宙』を使った『何年先も思い出しては切なくなる』『童話』小説

〈起 なべとびすこ〉

夜が怖くなくなったのは、いつからだっただろう。
昔は、夜になると怖かった。夜、眠らなければいけないことが、信じられないほどに苦痛だった。
明日になったら王様が、「みんな、今日から、眠るのは昼にしましょうね」、と王様が言ってくれるのをずっと待っていた。
でも、王様はそんなんことを言うはずもなく、僕の想いを王様に伝える機会もないまま、僕はただ、毎日夜に怯えていた。
そんな時、僕に宇宙の話をしてくれた友達がいた。


〈承 とうきょうたろうさん〉

「ねぇ、なんでみんな夜に寝るのかしってる?」
「ん?わからないや」
「夜はね、星が出るだろう」
「うん」
「人はね、寝るときに夢の中でいろんな星にいる人たちと会えるんだよ」
「えっ」
「そしてね、星にいるみんなも夢でぼくたちに会えるのを待っているのさ」


〈転 なべとびすこ〉

「そうなんだ…」
僕は夜が怖かったんじゃない。ずっと、夜に怖い夢を見るのが怖かった。
でも、夢に出てくる牙を剥いた狼や、ちょっと気持ちの悪い大きな花も、いつまでたっても終わらない夜も、きっとみんな僕に会いたかったんだ。
それなのに僕は逃げてしまっていた。次会ったら、ちゃんと向き合ってみようと思った。
ちょっと苦手だなって思う動物とかがいても、ちゃんと笑って「こんにちは」いや、「こんばんは」って、言えるよう頑張ろう。
その日、久々にワクワクしながら布団に入った。逆に、ワクワクして眠れないんじゃないかと思うほどに。


〈結 とうきょうたろうさん〉
その日からはねるのが、楽しくなった。
みんながぼくに会いたがってくれているから。まっていてくれるから。

そんな毎日は、きみが病気でいなくなってしまってからも続いたんだ。
いなくなるのはとてもとつぜんだった。

でも、ぼくはさみしくないよ。
夢できみに会えるから。

ねぇ、きみはぼくのことおぼえててくれてるかな。
これからもずっとともだちだよ。

 

ということで、チャット形式でやってみましたが、感想としては
「めっちゃ楽しい」でした。

自分1人で小説を書くのとはまた違う、
誰かが繋げてくれる安心感、自分が思ってもなかった方向に話が進むドキドキ感、いつも読まないジャンルにチャレンジしても「即興」なのである意味気楽なところもあるんですよね。
小説なんて書けません、って人も、やってみたら楽しいと思います。

また、横林さんもこの企画に対してブログを書いてくださったので、掲載しておきますね。

https://t.co/Qf4RHZg0hB?amp=1

ブログに書いているように「というか、むしろ物語を作ったことがないという方にこそ、このワークショップはおすすめしたい!」とのことなので、今回本当におすすめです。
今からでも大丈夫ですよ!


そして、10時〜の短歌の部

15時〜のミニボドゲ会もぜひ!

 

どれか1つでも、3つ通して参加でも500円です!

500円握りしめて会いに来てくださいね!

 

お待ちしております!