なべとびすこのなすべきこと

やってみたいをやってみよう。短歌を中心にいろんなことをやっている歌人のブログ。

新企画「(タイトル未定)」

お久しぶりです。

4月1日に .原井さん(@Ebisu_PaPa58)と新企画を行います。

「新しいこと」始めてみたいですよね。新しいことを始めるにはまず本屋に行って入門書を見たりしますよね。
でも入門書って結局買っても読まなかったり、そのままになったりしませんか?

ということで、この企画では…

★一冊の入門書を元に「何か新しいこと」にチャレンジする

★入門書は本屋に集合し、それぞれが実践したい本を選び、話し合ってどれか一冊に決める

★一日かけて、入門書の指示に従って皆で頑張る

という内容です。

ただし、現在、企画タイトルが決まっておりません!!
ということで、Twitterでタイトル候補に投票ください!
タイトル決定後、募集を開始します!
とにかく興味のある方は4月1日、空けといてください!

そして、タイトル決定後、参加希望を募ります!
ただし、何に入門するかによってどんな場所をおさえるかが決まりますので、募集を一次募集、二次募集に分けさせていただきます。

一次募集に応募してくださった方のアンケート結果によって、ざっくりしたジャンルを決定します。
参加希望の際に以下から「希望のジャンル」「やりたくないジャンル」を教えてください。

★文化系(会議室)
★スポーツ系(体育館)
★料理系(キッチンスペース)
★パソコン系(パソコン教室)
★写真や動画撮影、まち歩きなど(外)

一次募集(2/15まで)

それによって場所を抑えてから、ジャンルを決定し、二次募集を開始します!
(定員に達するまで)

ということで、
タイトル決定

一次募集(2/15)

二次募集(定員に達するまで)

4/1 本屋集合→入門!

という感じです。まずはタイトル決めです!よろしくお願いします!

2017年のこと

まだ2016年は少し残っていますが、2017年、早くもすこしずつイベントが決まっておりますので、チェックしておいてくださいね。

 

【一気にいろいろ告知】

★1/14(土)13:00〜16:00 ワードゲーム祭@A'ワーク創造館
 ミソヒトサジを含めて、横暴編集長(タイトルの一部を組み合わせて新しいタイトルを作る)や漢コレ!(部首とつくりを組み合わせて新しい漢字を作るゲーム)など、「言葉」に関するアナログゲームを行います。

応募はこちらから→https://www.facebook.com/events/1703422806653041/

★1/15(日)YUTRICK詠み初め2017&新年会@中津
ゆとり世代×短歌企画「YUTRICK」の新年1発目企画です!
普通の歌会だけでなく、協力プレイで一首を作るという新しい試みを行います。

詳細はこちらから→http://yutrick.hatenablog.jp/entry/2016/12/16/143548
※参加は平成元年〜10年生まれの方限定です。

★1/29(日)新企画「全力日和」
その場に集まった全員で何かを成し遂げる、というざっくりした企画です。何を成し遂げるのかは当日までわからないドキドキ企画です。短歌関係ありません。
詳細はこちらから
http://nabelab00.hatenablog.com/entry/2016/12/04/083525

★2/25(土)大阪短歌チョップ2@府大まちライブラリー

丸一日かけて「短歌」のトーク、展示、ゲーム、朗読などなど、短歌に浸りきりの1日が過ごせる夢の短歌フェス「大阪短歌チョップ」が帰ってきます!
私は主催ではなく、前回の短歌チョップにも参加できていませんが、今回は運営の一員として頑張ります。
ミソヒトサジの体験もできますよ。
詳細はこちらから
http://www.tankachop.com/

★3/12(日)10:00〜17:00 ゲームマーケット2017神戸@神戸国際展示場

ゲームマーケットは“電源を使用しない”アナログゲームの振興とユーザの交流を目的とした「みんなでたのしく」過ごせるイベントです。コミケ文学フリマアナログゲーム版です。いろんなゲームを作っている方が出店して、そのゲームを購入したりプレイしたりできます。

私は短歌カードゲーム「ミソヒトサジ」の改訂版を持って「鍋ラボ」として出店します!

ミソヒトサジだけでなく新しいゲームも持ち込めるかも…。

詳細はこちらから

http://gamemarket.jp/access/

 

★短歌グッズ発売中!

「ここで一句って言うな」Tシャツなど、ちょこちょこアイテム増えていってます。というか、知らぬ間にかなりの数になってきました。

短歌チョップなどのイベントに向けて、一着くらい短歌グッズを用意してはいかがでしょうか。寒いのでパーカーがオススメ。

suzuri.jp

 

今年の振り返り記事などもまた書きますね。

よろしくお願いします。

一歌談欒企画vol.3 間違えて図書館を建てたい

またまた原井さんの「一歌談欒」企画に参加します。
この企画の詳細はこちら↓
http://dottoharai.hatenablog.com/entry/2016/12/07/221628

今回のお題はこちら。

この森で軍手を売って暮らしたい まちがえて図書館を建てたい(笹井宏之)

これ読んだとき、「おっ」と思った。すげえなあ。
でもよく考えると全然わからない。

「この森で軍手を売って暮らしたい」

この時点でもう難しくない?

町じゃなくて森。
しかも軍手…。

あ、でも軍手を日常的に使うのは町より森かも。
町で軍手使うのって雑草抜いたり掃除したりやけど、森で暮らす人は毎日軍手を使うんかな。ってことは森で軍手を売るのは、生活必需品を売ることかもしれん。
しかも軍手って手を「守る」もので、木を切る斧とかより優しい。
手袋ならファッション要素があるけど、軍手はやっぱり必需品やな。
そういうのを売るっていいよな。うんうん、みんなに必要とされてな。


間違えて図書館を建てたい


えっ。
話飛びすぎやろ。

私の友達に「てかさー」で完全に話を変える子がいて、何回も「お前、てかさーって付ければ何言ってもいいと思うなよ!」って言ってたけど、そのくらいの飛び方。


この森で軍手を売って暮らしたい、ってかさー、まちがえて図書館建てたくない?

みたいな。

1人の人間の思考回路に思えん。

A「この森で軍手を売って暮らしたいわ〜」
B「俺は間違えて図書館建てたいわ」


みたいな。
でも、これやと

「この森で軍手を売って暮らしたい」「まちがえて図書館を建てたい」

とかになるはず。
やっぱり普通に1人の思考と考えるべきやと思う。

なんで軍手を売りたい人が図書館を建てたいのか。

軍手が生活必需品なら、図書館はもっと娯楽とか知的好奇心とかの象徴な気がして、軍手と図書館の関連性がわからん。

図書館建てようとした時点で気付けよ。
土地とかおさえてるときに「これ軍手と関係なくない?」ってなれよ、「俺なんでこんな本集めてんの?」ってなれよ、ってか、なるやろ。

でも、作者の笹井さんが病に臥せっていた背景とかを考えて考慮してみる。


15歳の頃から身体表現性障害という難病で寝たきりになり日常生活もままならず、佐賀県立武雄高等学校を中退。(Wikipediaより)


ちょっとわかってきたかもしれん。

この歌を詠んだ人は、軍手を売って暮らすことも、図書館を建てることももう現世では叶わない。

思えば、軍手を売ってる内に図書館を建てるみたいな、全然関係もないような突拍子もない出来事がつながる時ってある。

文化祭でバンドとかやってたら彼女ができたとか、無理やりお見合いさせられて結婚したらベトナムに移住したとか、社内ニートで悩んでたら短歌詠むようになってカードゲーム作ったとか。
飛んでると言えば飛んでる。
「間違えて彼女作りたい」
「間違えてベトナムに住みたい」
「間違えてカードゲーム作りたい」

「間違えて」の5文字には、そんなドラマチックさが有る。
道を踏み外すことへの憧れ。
間違えてしまうことへの憧れ。
間違えたことに満足できることの憧れ。


軍手を売るより、図書館を建てるより、作者が一番望んでるのは、突拍子もない未来、ドラマチックな未来、想像もつかない数年後なんじゃないか。

変わらない日常、とか言っても、働いたり学校に行っていれば起きるかもしれないドラマ。
寝たきりで病院にいたら、そんなドラマは二度と起きないかも、という恐怖。そんなドラマが起きてほしいという願望。

それこそがこの歌の正体なんじゃないか。
絞り出した命の声なんじゃないか。

っていうのが一応の結論です。これまで意味わからんでもやもやしてたけど、ギリギリ着地しました。

これまで私は

軍手を売る
図書館を建てる

は全く関係ないという前提で話を進めてきたけど、もっと同じ文脈で解釈する人がいたら教えてほしい。

一歌談欒企画、ぜひご参加ください。

新企画「全力日和」

2017年1月29日(日)9時集合→18時解散。
場所は大阪府内。
定員は5人。

この9時間の間に、集まった人だけで「何か」を成し遂げましょう。


ものすごくくだらないことでも、なんの役にも立たないことでも良い。全力で何かをやって、全力で1つのことを
成し遂げる。
そんな一日を作ってみませんか?


☆成し遂げアイデア
(こんな感じのことをします)

・ここ10年の新潮文庫の100冊で1番取り上げられた率の高い作家調べる
・駄菓子屋の駄菓子に使われてる添加物の名前だけ使ったラップ作る
・架空のバンドのHP作る
・カメラ素人だけでめちゃくちゃかっこいいカレンダー作る
・大根役者だけ集めてミニドラマ作る


時間が限られているのと、ロケーションを考えないといけないので、ある程度何をやるかは考えていこうと思います。
会議室だけで完結するのか、公園や駄菓子屋に行かないといけないなら、そこに近い場所にしないといけないので。
人数集まったら1時間だけ事前スカイプ会議などをしても良いかもしれません。
何をやるかわからないギャンブル要素の高い企画ですが、絶対楽しくなると思う…!
ぜひご応募ください!

一歌談欒vol2. 理解できない人は下がって

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系)

http://dottoharai.hatenablog.com/entry/2016/10/23/230413


今回も原井さんの一歌談欒企画によせるブログです。ちなみに今回の課題短歌は私が選びました。ということで、


3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系)


この歌。初めて見たときに、「うわ、なんかすごい」と思ったと同時に、「どういうこと?」という疑問も浮かんだ。
短歌を読んで「どういうこと?」ってなるのはけっこう多くて、そのままスルーしてしまう場合が多々あるけど、これは「なんかすごい」に引きずられて何回も読み直した。

3番線快速電車が通過しますマジ危ないから下がって

とかなら普通に意味がわかるけど「理解できない人は」を入れた途端意味がわからなくなる。

何を理解できないかっていうところがポイントで、読んだ当初の私はなんとなく「死への恐怖」とかかな〜と思ってた。
これだと逆に、死を怖れないひとは下がらなくても良い、ってことになる。なんとなく、そういう意味も悪くないかなと思う。
安易な自殺反対とかより、1つの選択肢として肯定するような歌かな、と思った。

それでもなんとなく腑に落ちなかった私(当時短歌を始めたばかり)は、インターネットやTwitterを使って歌の解釈を検索した。

そのなかでたまたま見つけた以下の感想が忘れられない。
(以下引用)

理解できない人は下がって は、理解できている人は「快速電車が通過します」だけで下がるし、理解できない人もとりあえずは下がれば、全員が下がるという歌と思いました。すごい!

 

えっ、これ正解じゃない?
ってなった。いや、短歌に正解とかないけど、ちゃんと意味は通る。

「電車にはねられれば死ぬから危ない」っていう事実とか常識を理解できてない/知らない人にも下がって欲しい、生きてて欲しいっていう歌。
ポジティブ。なんでこういう風に捉えなかったのかわからないくらい自分の中では腑に落ちてる。中澤系っていう歌人のイメージ(そんなに詳しくないけど)から難しく考えすぎてたのかなって気もする。
この感想がしっくり来すぎて、これ以上の解釈ができなくなってしまった。

誰にも死んでほしくないという願いとか、希望の歌に読める。

ということで今回はほかのみんなの感想を楽しみに待つことにします。

一歌談欒 vol.1 「具体的には日焼け止め」

おめんとか
具体的には日焼け止め
へやをでることはなにかつけること
(今橋愛)

.原井さんの「一歌談欒」企画に寄せるブログです。(概要はこちら→http://dottoharai.hatenablog.com/entry/2016/10/10/233037
ひとつの課題短歌に対して、みんなが解釈や感想を書くという企画。
1つの歌のいろんな解釈が聞きたい、という思いは私も強かったので、タイトル考案など、裏でいろいろ手伝わせていただきました。

本題、この歌について。

部屋を出る=人前に出る際 私たちはたとえて言うなら「おめん」、具体的に言えば「日焼け止め」をつけて生きている、というような内容。

いいなと思うのはやっぱり具体例が「日焼け止め」であるところだと思う。音数的には、「具体的には化粧品」でも当てはまるけど、これだと急に台無しになる。
化粧の場合は「着飾る」「自分をよく見せる」「欠点を隠す(しわ、たるみ等)」など、さまざまな効果が含まれてしまう。しかも、化粧は男の人は共感しづらいかもしれないし、周りから「つけている」ことがわかるっていうのも特徴だと思う。
おめんから連想するのは通常、化粧のほうなんじゃないかと思う。顔を隠して、別の顔をつける。それも「部屋を出る」際には必要なことだ。

化粧に比べて日焼け止めは「日に焼けることを防ぐ」という一点のみの効能だ。攻撃ではなく防御、加点ではなく減点を最小限にとどめる感じが日焼け止めにはある。しかも、周りから日焼け止めをつけてることはわからない。
日焼け止めは具体的には「日に焼けることを防ぐもの」、逆にこの「日」っていうのを抽象的にひらけば、「眩しいもの」「力のあるもの」にならないだろうか。
日に焼けて黒くなるのは、眩しいものに染まって、自分の色が変わることとも取れる。
日が世界なのか、身近にいる明るい人なのかはわからないが、そのままの自分でいれば自分の色が変わってしまう。それを防ぐのは日焼け止めだ。だから部屋を出る際には、日焼け止めをつける。日焼け止めも万能じゃないから、あまりに日が強い時はどうしても色が変わる。でも、少しでも自分の色を守るためには日焼け止めが必要だ。

着飾るのでも、隠すのでもなく、日焼け止めで、守る。
そうしながら部屋を出るのは、ある意味「日に焼けても別にいいわ」って言って何もつけずにありのままで行く以上に気高い行為にも思える。

鍋ラボ in the 詩ty

東京にハルカトミユキの野音ライブを見に行きました。

せっかく東京に行くから、一泊してついでに歌会もやってしまおう、と思い、募集をかけたところ、8人集まったので歌会を開催しました。

 

テーマは「歌」で、参加者は短歌結社に所属している人から学生短歌会に所属している人から、詩をメインに活動してる人からラッパーまで、さまざまな人が集まりました。

 

以下が本日発表された短歌です。

 

いま(いま)別れのとき(とき)とかみ合わぬまま僕らはうたう/シュンイチ

 

いにしえの歌人の札を並べおきコンマ2秒で畳をはらう/太田青磁

 

会いたがりなわれをなだめて讃美歌の26番くちずさみおり/村上すみれ

 

ビニールの傘がぱたぱた鳴っているちゃんと淋しくなれるメロディ/かなめゆき

 

音漏れは街のやつらに届かずに僕らは歌を独り占めする/なべとびすこ

 

これは恋歌どうかわからないから受け取った君に任せる/桜望子
※ルビ 恋歌(こいか)

 

交差点いつかの面影重ねたらたしなめるように灯る赤信号/腐ってもみかん

 

誰にでもうたえるようなそれでいて口ずさむたび風が吹く歌/中本速

 

 

歌会が終わった後は短歌カードゲーム、ミソヒトサジで遊びました。

 

このゲーム、短歌を知ってる人でやるときと、それ以外のときとで楽しむポイントが少し違ってる気がしています。

 

たとえば。「句ミーティング」という、協力プレイで短歌を作るゲームがあるのですが、短歌の人たちのほうが「尖った」カードで歌を作る気がします。

 

カードが無くても短歌を詠んでる人は。無難にまとめる歌なら自分で作れるからかなーと思います。カードにしかできない組み合わせとか、普段使わない言葉のほうが使いたがるのかもしれない。

 

あと「五七五七七じゃなくて七五五七七の破調にして良いですか?」と質問してくるのはだいたい短歌やってる人な気がします。

短歌やってる人の方こそ、五七五七七に囚われすぎない感じかなー。

他にもいろいろ違いはあるものの、どちらの層にも確実に楽しんでもらえてるのは嬉しい限りですね。

 

関西以外でもいろいろ歌会したいですねー。楽しかったです。